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麻生区版 公開:2015年10月23日 エリアトップへ

柿生郷土史料館タイアップ企画 柿生文化を読む 第69回麻生の寺院 浄行寺・長福院・妙福寺

公開:2015年10月23日

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 前稿、常安寺の開基小島佐渡守高治には、玄蕃貞治という兄が居りましたが、戦乱の世のこと、病弱のため家督を弟高治に譲り下麻生に隠居しています。その隠居所が新編武蔵風土記稿で謂う「古蹟、陣屋跡(=現マブネ協会辺り)」で、この隠居所の裏鬼門に造立されたのが、今は幻の寺となっている「浄行寺(じょうぎょうじ)」で、新編武蔵風土記稿では「寮」の項に、「浄行寺と号す、二間半に三間の寮なり、本尊三宝を安ず、日蓮宗多摩郡三輪村妙福寺の持」と記しています。

 現在この地は、小島家一族をはじめ、下麻生在家の広い墓地となっており、そのほぼ中央、古い墓石の中の姿を少々傾けた五輪塔が浄行院(玄蕃貞治)の墓石なのでしょうか。今は寺(寮)の形跡は微塵もなく、ただ墓地となった「寮」の下に、今でも「堂の下」と呼ぶ旧家の屋号が残っています。

 上麻生の大ヶ谷戸(柿生駅前)と真福寺境(柿中北)に、「長福院」という法華宗の寺があるのをご存知でしょうか。ここはその昔「下駄切坂」と呼ばれた交通の難所に建てられた寺で、新編武蔵風土記稿には記録がありませんが、伝承によると、享保十六年(1731)日蓮宗信仰に篤い上麻生大ヶ谷戸の在家(旧家)鈴木家一族の菩提寺として造立されたといわれ、今は無住(僧侶不在)ですが、境内墓地には歴代上人の墓石12基が保存され、現在三輪妙福寺の末寺となっています。(福島県白河へ移った伝承もあります。)

 参考文献:「新編武蔵風土記稿」「ふるさと麻生」「ふるさと三輪」

 文:小島一也(遺稿)
 

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