川崎区の多摩川河川敷で中学1年の男子生徒が殺害され2月で1年が経つ。市内の中学生に暴力を防ぐ手段を伝えようと、県内を中心に人権啓発活動を行うNPO法人「エンパワメントかながわ」が今春から市内中学校向けの暴力防止プロジェクトを始動させる。
「犯行現場に手向けられた花束を見て『これしかできない』という多くの人の気持ちを感じた。『できることがもっとある』ということを伝えたい」。同法人の阿部真紀理事長はプロジェクトへの想いを話す。
同法人が提供しようとしているのは「中学生暴力防止プログラム」。市内中学生や教師、地域住民など、生徒と大人それぞれにプログラムを用意する。「いじめ、体罰、性暴力などを受けずに誰もが安心して生活できる権利がある」、「困った時は大人に相談してほしい」ということを伝える。
伝え方は寸劇を交えたワークショップ形式。生徒には「いじめを目撃したらどうする?」など、一人ひとり名前を呼び掛けながら意見を聞いていく。「対等に向き合い、話を聞く大人がいることを感じてもらうことが大切」と阿部さん。また大人には「なぜ子どもは大人に相談しないのか?」など、意見を聞きながら話の聴き方のポイントを伝える。同法人は現在、プログラムを実施する中学校を募集中。また、活動資金を「かわさき市民しきん・あとおし」を通じて2月末まで募っている。
同法人は04年設立。CAP(子どもへの暴力防止)など7000回以上の人権啓発プログラムを学校や地域に提供している。
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