4月1日付で麻生消防署長に就任した 山本 勉さん 海老名市在住 58歳
誠実な姿勢を後輩たちへ
○…前職の川崎消防署長の頃に管轄していた街並みとはまた違った、緑豊かな住宅地が広がる麻生区の風景を目にし、「山坂が多いので、地域の特性をしっかりと把握し、火災防御に注力していきたい」と早速、意気込む。消防士生活35年、モットーとする誠実の「誠」の字を、麻生署員を前に掲げ「やるべきことをしっかりと、誠実に行ってください」と力強く述べた。
○…幸区出身。幼い頃は体があまり強くなく、学校のテストを休んでしまうほどだったが、成長期に伴い、体が強くなっていったという。明治学院大学で学んだ建学の精神に共感し、「人のために役に立ちたい」と、消防士の道を志した。中原消防署、宮前消防署などを経て、6年間航空隊も経験した。「豪雨の中ヘリコプターで降り立ち、多摩川で溺れる子どもを抱きかかえ救助したことは、市内では初となるヘリコプターでの救助だったこともあり、よく覚えている」と語る。また、市消防局では総務部企画担当課長なども歴任し、同局の計画・予算立てにも携わってきた。現場と行政、両面の経験を署長として署員たちへ伝えていく。
○…娘と息子を育てあげ、現在は妻と2人暮らし。2歳と1歳の女の子2人の孫には目がない。「しょっちゅう遊びに来てくれるから、うれしいね」と顔をほころばせる。やさしい表情の中に垣間見せる熱い思い。「救助する側が先に倒れるわけにはいかない」と、休日にもハードなランニングを続け、訓練や自分を磨くことの大切さを説く。
○…今月14日から発生した「平成28年熊本地震」も決して対岸の火事ではない。「首都直下型地震やゲリラ豪雨など、ここでもいつ自然災害が起こるかわからない。消防団や地域とタッグを組み、災害に強いまちづくりを行っていきたい」と話す。仕事に対する思いや、積み重ねてきた豊富な経験を後輩たちへ語り継ぎながら、市民を守るために奮闘していく。
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