求められる市営バスの意義 ―コミバス需要への積極的な関与を求め―川崎市議会議員 山崎 なおふみ
戦後、本市の経済成長を支える原動力として発展を遂げてきた市営バス事業ですが、かつてのような乗車料収入は見込めず、また、経営健全化を求める昨今の時代の要請から一部路線や事業所の民間移譲が進められて参りました。
現在、本市が運行する路線バスは市内利用者の約4割のシェアを占めていますが、そのエリアは市域の南部に偏重しています。人口流入や高齢化の進展に伴い、北部地域における新たな需要への対応が求められていますが、現行は民間バス会社が路線の大半を有しており、民間は公営以上に厳しい採算性が求められることから新たな路線の実現はほぼ困難な状況にあります。無駄な経費の縮減や業務改善は言わずもがなですが、それでもいわゆる政策路線と呼ばれる路線を確保することは公営バスに課せられた責務であり、市民の足を確保する為の政策的な支出は惜しむべきではありません。
また、近年では高石地区の山ゆり号や岡上地区における乗合タクシー等、コミバスやタクシーの空き車両を活用したコミュニティ交通の取組が進んでいます。一般会計から年間9億4300万円も投入される政策路線の大半が南部に偏っている現状を鑑みるに、大型路線バス以外にも北部地域の需要に積極的に関与していくことが必要であると考えています。
【平成28年 第2回定例会一般質問より】
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