航空・宇宙産業でも使用
川崎市がものづくりの分野で、最高峰の匠に贈っている「かわさきマイスター」に、麻生区からは相互発條(株)(栗木)に勤める高橋信美さん(75)がこのほど選ばれた。高橋さんは入社以来、60年一筋で磨き続けてきたバネ製造の高い技術力をもち、航空・宇宙産業で使用されるバネも手掛けてきた。
高橋さんは中学卒業後、相互発條(株)へ入社。日々独学で金属の特性などを学び、試行錯誤を重ねながら、バネの成形技術を磨いてきた。かわさきマイスター認定を受け、「ものづくりでは負けないという信念をもち、積み重ねてきた仕事の結果。元気なうちは続けていきたい」と話す。
加熱などを行わず、手による加工で自在かつ正確にコイルを巻き、スプリングを形成できるという技術の高さ。小型で繊細なものから、大型で重量のあるバネまで一人で加工の工程をこなすことができ、こうした高い技術・技能・知識により、厳しい基準をもつ航空・宇宙産業でも使用されるバネ製造についても、品質を満たす。航空・宇宙産業にも約40年携わってきた。ボーイング社などの民間旅客機や純国産ロケットなどにも搭載され、「ナダキャップ」という航空産業における認証制度を、国内のバネメーカーで唯一取得したことにもつながっている。
現在、高橋さんは同社の指導役という立場だが、週3、4日出勤し、若手社員の育成にもあたる。「基礎はできてきた。私がいなくても発展していけるように、託していかなくてはならない」と話す。「夢のある仕事。長生きして、もう少し続けていきたい」と語った。
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