川崎市と小田急電鉄株式会社は11月15日、「小田急沿線まちづくり」に関する包括連携協定を結んだ。両者が持つ資源を生かし、10年後を見据えた「暮らしやすい沿線」実現に向けて連携・協力体制を築いていく。
小田急電鉄は2017年度に東北沢―和泉多摩川間の複々線完成を予定しており、ラッシュ時間帯の混雑緩和と所要時間の短縮など輸送改善が図られる見通しとなっている。このことが沿線観光地の活性化と都心方面へのアクセス向上に繋がるとして、今回の包括連携協定が実現した。市が交わしたまちづくりに関する鉄道企業との協定はJR東日本、東急電鉄に続き3社目となる。
駅周辺を整備
協定による連携・協力事項として挙げられたのは、▽駅を中心としたまちづくりや公共交通機能の強化、▽暮らしやすいまちづくり、▽地域資源を活かした豊かなまちづくり、▽鉄道沿線の魅力向上・活性化の4項目。
具体的な取り組みとしては、輸送改善の効果を発揮するために、新百合ヶ丘駅南口駅前広場の再整備による交通環境の改善や、登戸駅構内4線化による拠点機能の強化を図っていく。また小田急グループによる空き家対策相談窓口を通じた既存建築物の利活用として、住み替えの促進や地域交流の場への転用、資産価値向上を図るリノベーションなどを推進していく。
他にも豊かなまちづくりとして、黒川駅周辺に賑わいや交流機能を導入するための整備検討や都市農業の振興に向けた取り組みも盛り込まれている。多摩区では「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」直行バスとあわせ、登戸駅・向ヶ丘遊園駅と生田緑地や多摩川などとの回遊性強化も挙げられている。
両者の強み生かす
川崎市役所で行われた締結式には福田紀彦市長と小田急電鉄の山木利満社長らが出席。両トップは双方の強みを生かし、幅広い分野において連携し、市民、利用者に喜ばれる取り組みを進めていくことを確認した。市では「鉄道沿線のまちづくりには不可欠な連携。この協定により、市民にとって身近なまちづくりを充実させていきたい」と話している。
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