麻生区を拠点に全国で公演を行う劇団民藝が4月29日(祝)からアートセンターで「アンネの日記 プロローグとエピローグのある二幕」を上演する。2011年から民藝公演でアンネ役を務める八木橋里紗さん(29)=多摩区在住=が3年ぶりの区内公演に挑む。
第二次世界大戦中のユダヤ人迫害の状況下で短い生涯を終えた少女の日記が原作の同作。1955年のアメリカ・ブロードウェイ初演の翌年から劇団民藝が日本で邦題「アンネの日記」として公演を開始。これまで1717回、約130万人が鑑賞した民藝の代表作品の一つだ。
11年に民藝が行った一般公募オーディションで歴代17人目のアンネに選ばれた八木橋さん。11年のアートセンター公演や14年の稽古場公演など、地元を含め現在までに約40公演でアンネを演じている。
受けるなら「アンネ」で
10年に亡くなった母親で女優の成田美佐子さんも9人目のアンネを務めており、母娘で同作に携わってきた。芝居の勉強を続けていた八木橋さんに「民藝を目指すならアンネの時に受けたら」という美佐子さんの一言もあり、高校卒業や短大卒業のタイミングなどで受験のチャンスはあったが、アンネ役で受けたいとの思いで機会を待った。
他の劇団に参加していた23歳の時、待望のアンネ役オーディションが開催され、約200人の中から夢をつかんだ。すでに母親はいなかったが「小さい頃に母と観に行った映画がアンネの日記でした。アンネが過ごした屋根裏の2年間という世界で母と同じ時間を送ることができるのが感慨深かった」と八木橋さん。演出家から指摘を受けてカーテンにくるまって泣いていた当時の母親の姿など、民藝に入ってから聞く美佐子さんの女優としての顔も知った。「私も初演はがむしゃらにやった思い出があります。アンネが成長していく姿や家族の生き生きとした様子も描かれていますのでそこにも注目してほしい」
29日から始まる「川崎・しんゆり芸術祭」(アルテリッカしんゆり)のプログラムの一つとして上演される民藝の名作。「親子2代で演じることより劇団で続けている歴史がすごいと思う。連休中の公演なのでぜひ家族で来てもらってみんなで劇の話などをしてもらえたら嬉しい」と八木橋さんは話している。公演は5月1日(月)まで。
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