川崎市の臨海部施設が、工業地帯のイメージに加え、8千人の収容が可能な大規模野外イベント開催地という新たな需要を生んでいる。東扇島東公園では今夏、3つの野外音楽フェスティバルの開催を予定している。
人工海浜を併設する東扇島東公園は2008年にオープンした約15万平方メートルの施設。平常時は潮干狩りなどが楽しめる憩いのスペースになっているほか、土日などは川崎みなと祭りやイルミネーションマラソン、トライアスロンなどの大会も行われている。
開園後から開催されている野外音楽フェスティバルも賑わいを創出している要素の一つだ。今年も7月1日と2日に行われる「DEAD POP FESTIVAL」は一部当日券が完売になるなど好評。9月には、2011年から同公園で開催している首都圏初の野外オールナイトロックフェス「BAY CAMP」、青森県で開催されてきたロックフェス「夏の魔物」の川崎開催も予定されている。
市では公園開園前後からイベントの誘致を行ってきたほか、川崎が持つ強みや魅力をアピールする取り組みを支援する「都市ブランド推進事業」にBAY CAMPを選定(16年度)するなど、公園のフェス活用を後押ししてきた。市港湾局川崎港管理センターは「首都圏臨海部に立地している広大な公園であること、開放的な雰囲気が受け入れられているのでは。イベント開催などを通じて、臨海部の魅力や大規模災害時の広域拠点といった役割の理解を深めてもらえる機会を創出していきたい」と話す。
音楽フェスまちづくりに貢献
DEAD POP〜、BAY CAMPの両フェスに実行委員会として参加する株式会社チッタワークス(川崎区小川町)の木嶋隆さんは「首都圏臨海部には他にもスペースはあるが、工場地帯としての雰囲気はここだけ。出演アーティストからも夜景を望みながらのステージは評判が良い。この場所でのフェスで『音楽のまち・かわさき』にも貢献したい」と話している。
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