九州北部豪雨災害 想定外を想定内に! 川崎市議会議員 おいぬま純
平成29年7月5日から梅雨前線の影響により「線状降水帯」が発生し、福岡県・大分県の一部地域に大きな被害を及ぼしました。犠牲になった方のご冥福を心からお祈りいたします。
線状降水帯とは、「ほぼ同じ場所を通過、または停滞することで作り出される、強い降水をともなう雨域」とされています。気象庁などによると、今回の九州北部だけでなく、広島土砂災害、鬼怒川の堤防決壊もこの現象によるもので、そのメカニズムの研究も進んできているようです。しかし、「都市部でも発生の可能性がある」ことは、私たちも想定しておかなければなりません。
都市部で同様の豪雨が発生したら
もし、都市部で同じように豪雨災害が発生した場合、道路やアンダーパスの冠水、倒木による交通麻痺、停電等、想定される被害は多岐に渡りますし、その2次的な影響は更に広がります。都心部では地下鉄や地下商業施設が整備されていますので、豪雨が予想される場合の行動ルートは、今から想定しておく必要があります。
「暴れ川」と呼ばれた鶴見川
川崎北部、麻生区柿生地区を流れる鶴見川は過去、豪雨のたびに「水」による被害をもたらし、「暴れ川」と呼ばれていました。しかし、昭和43年の麻生川沿岸土地改良区の設立認可により整備され、豪雨の影響が少なくなりました。このように、麻生区は過去から豪雨への厳しい対応を迫られてきたのです。下麻生にある「恩廻公園調節池」には、地下50mに時間雨量60mm・貯水量11万㎥に対応するトンネルが平成15年度に完成し、今もなお安全に対する備えとなっています。
今からでもできること
先日、王禅寺ふるさと公園の清掃作業に参加させて頂きました。準備として公園内の状況を事前に見て回ったところ、公園の中ほどにある「U字溝」は枯葉や汚泥で詰まっている状況でした。特に排水管の部分は穴が塞がれていて、地域の方と一緒に泥の排出等、清掃を行いましたが、雨水が流れない状態では雨水管に流れず、道路冠水の要因の一つにもなります。街路樹を適切に管理し、落ち葉の処理や倒木を防ぐこと、地域の皆様の清掃活動において雨を雨水管へ誘導できるようにすることは重要であると思います。雨天時に毎回のように冠水している箇所は一度点検が必要です。
麻生に広がる「市民防災農地」
川崎市の「生産緑地」の一部には、災害時に一時避難場所として活用できるとした「防災農地」があります。東京ドーム約16個分の広さです。万が一の際には非常に重要な箇所となりますので、近所に市民防災農地があれば、所有者の方々と、その利用について検討することが大切です。
<PR>
|
|
|
|
|
|
|
<PR>
3月29日
3月22日