麻生区版 掲載号:2017年11月10日号
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ラゾーナ川崎で開催される、障害者とアートに関するシンポジウムで基調講演を行う鈴木 文治さん田園調布学園大学 教授 69歳

「分断や差別のない社会へ」

 〇…27日にラゾーナ川崎で行われる、障害者にとって芸術教育の有効性を考えるシンポジウムで講演を行う。麻生養護学校の校長時代に実践した取り組みの成果などを、理論も交えて伝える。「音楽や美術は主要教科から少し外れていますが、障害者にこそ必要な表現活動。インクルージョン(排除しない社会の在り方)のツールとしてアートが持つ意味をお伝えしたい」

 〇…長野県生まれ。小児結核により体育に参加できず、本を読み続けた少年時代に「非近代的な差別をなくしていきたい」と弁護士を目指した。中央大学法学部に入学するも学生紛争真っ只中の時代。「病の経験もあったので『人は何のために生きるのか』って、哲学や宗教に興味が出てきたんです」。就職はしたものの、取引先からの毎夜の接待にも違和感があり、大学に再入学。卒業後、中学の教師と併せ「貧しい人のための活動を」と川崎区の桜本教会の伝道師になった。

 〇…特別支援学級の教師や麻生養護学校の立ち上げにも関わり、教員退職後も教会でのホームレス支援など弱者の側に立つ姿勢は変わらない。今は大学での授業に全国での講演、執筆活動も重なる日々を送る。「教会を支えるためにも70歳までは一生懸命勤めあげる気持ち」。柔らかな表情とは裏腹に柔道3段の持ち主。「以前は毎日腕立て300回が日課でしたが、さすがに医者から年齢相応の運動を、と忠告されたので朝の散歩やラジオ体操が日々の息抜きです」と笑う。

 〇…教育現場の現状について「今は簡単に病名が付き、特別支援学級や養護学校に寄せられる生徒も多い。社会は排除やレッテル貼りの理論で動いていますが、分断や差別をなくしていく取り組みこそが必要」と警鐘を鳴らす。県内の高校でも知的障害者を受け入れる取り組みが始まるなど、徐々に進みだした「インクルージョン」の考えを、笑顔の奥にある熱い思いでこれからも提唱していく。

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