麻生消防署は16日、テレビ番組の撮影でのスタントや事故再現VTRの撮影などに携わる麻生区片平の有限会社タカハシレーシングと、大規模災害時に情報収集活動などの支援協力を行う協約を締結した。有事には、同社がもつ車両や人材・技術を生かし、いち早く災害現場に向かい、支援活動を行う。
同協約により、同社の社員とOBら17人から成る、「麻生消防災害支援チーム」が編成された。16日には、同消防署で締結式・発隊式が和やかな雰囲気の中、行われた。
同社は数々のテレビドラマやバラエティー番組、事故再現VTRの撮影に携わり、車両の特殊運転(カースタント)やダイビング、火ダルマなどのボディースタントを行ってきた業界屈指の技術をもつ。大規模災害時には撮影に使用するオフロードバイクやバギー、ボートといった資材を使い、経験豊富なスタントマンが高い運転技術を生かし、迅速に災害現場に向かう。支援活動の内容は初期消火、救出救護、消防署に指定された地域での火災や道路寸断・渋滞の発生状況に関する情報収集。収集した内容を消防本部に連絡し、消防署が救出・消火活動を行いやすいように連携をはかる。
同社の高橋勝大社長=人物風土記で紹介=は「何かあった時に少しでも役に立ちたいという思いがメンバーの中で膨れ上がり、消防署にラブコールを送っていた。我々が動くことで救える命があるかもしれない。自助でできる限りのことをやっていきたい」と話した。
麻生消防初企業との協約
麻生消防署としては初めて企業と締結する災害協約となった。同消防署の高嶋敏署長は「地元の心強い力を得た。スタントの方々は身体能力が高いので、期待している。大規模災害が起こらないことが一番だが、有事の際には力を貸してほしい」と話す。
有限会社タカハシレーシングは、今年1月に行われた出初式で事故の再現を披露し、それがきっかけとなり、協約締結にいたった。支援チームのメンバーは、救急救命の資格取得やロープワークを学ぶための事前訓練を同消防署で重ね、技術を磨いてきた。高橋社長は「自分たちの手で、自分たちの街を守っていきたい」と意気込みを語った。
麻生区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|