これからが「真の復興」への道 川崎市議会議員 おいぬま純
東日本大震災の発災から6年が経ちました。被災され、今なお対応に苦慮される方々がいらっしゃいます。東北の被災3県においては自主避難者含め約3万世帯、7万人以上の方々が仮設住宅に入居を余儀なくされています。復興とは名ばかりで、大震災の経験と記憶は風化させてはならないと強く感じています。
自主避難者に対する仮設提供が終了
仮設住宅にて被災者の自立支援を目的に編み物の制作・販売支援などの支援活動を続ける方にお話を聞きました。「被災者の方々は今年3月で仮設住宅を出て帰村することとなりました。しかし喜ばしいことばかりではありません。若者はすでに村を離れました。戻るのは高齢者のみで、地域コミュニティ再建には無理があります。医療も保育も仕事すら揃わない地域にどうやって若者が戻ってこようか」とお話しされています。
復興庁からは、生活インフラが再整備される復旧はほぼ完了したと報告されていますが、実際、復興には依然として達していない状況です。しかし、忘れてならないのは、この支援によって被災者は「嫌なことが忘れられる」「一人になる夜に、やる事ができて嬉しい」「仕事として現金収入があり、外食等で楽しめる」といった心のケアが図られています。そして何より、社会復帰の為に生活基盤の再建の一助となっている点は重要な活動となっています。
復興工事、不払い続出
東日本大震災のみならず熊本地震において、緊急工事を請け負った下請け業者が工事代金・賃金不払いの事象が頻発しています。東日本大震災関連工事においては2012年から15年の間に200件以上の不払いに関する相談・通報が国交省東北地方整備局に寄せられました。川崎市も災害時応援協定を各団体・企業と締結していますが、こういった問題に対し解決策を見出しておかないと、緊急な工事を受け入れる団体・企業が揃わない恐れが生じています。
平成29年度 市の重要施策「地域防災力の向上」
「平成29年第1回川崎市議会定例会」における市長からの施策方針に「地域防災力の向上」が掲げられました。災害から生命を守る取り組みとして、「防災に対する意識向上」を目的に麻生区の地域特性を活かし、より実効性のある災害対策が検討され、避難所運営や公的備蓄などが見直されます。
それをもとに私たち自身に何が必要なのかを考え、学び、準備する「自助・共助」が何よりも重要です。「公助」の限界を知り、個人で・地域でできることを震災の経験から導き出す行動をすぐにでも始めたいと思います。長期停電・断水など、最悪のケースを想定し話し合いの場を作る。お互いに顔を合わせ、コミュニケーションを取ることこそが「絆」を深めることに繋がります。
|
|
|
|
|
|
3月22日
3月15日