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川崎区・幸区版 公開:2011年10月21日 エリアトップへ

川崎区小田在住 田中ウメさん 困難乗り越え「米寿展」

公開:2011年10月21日

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作品を手に意気込を語る田中さん
作品を手に意気込を語る田中さん

 夫との死別や両脚の切断、生死を彷徨う病を乗り越え、油絵や水墨画、書などを描く川崎区小田在住の田中ウメさん(88)が3年ぶりとなる個展「米寿展」を来月1日(火)からアートガーデンかわさきで開催する。

 田中さんは58歳の時、夫と死別。悲しみから立ち直るために油絵を習い始めた。初めて触れる絵の世界の奥深さにのめり込み、見る間に上達。川崎市美術展を皮切りに数々のコンクールで入選などの成績を収めていった。特に独特なタッチで描かれる田中さんの地蔵は「ウメさんのお地蔵さん」と呼ばれ、多くのファンを作るまでの作品となった。

 75歳の時、交通事故に巻き込まれ、両脚の膝から下を切断し、油絵を描くことは困難に。それでも「絵を描き続けたい」と絵筆から毛筆に切り替え、書と水墨画への挑戦を始めた。

 しかし、85歳の時に行われた4回目の個展の直後、脳梗塞で倒れてしまう。一命は取りとめたものの、空間認識障害や視野狭窄(きょうさく)などの障害が残ってしまった。○(マル)すら書けない状況に、長男の実さんは「絵は無理だろうと思った」と話す。それでも田中さんの熱意は枯れることなく「リハビリも兼ねて、書をかく。そしていつかまた個展を開きたい」という目標を立て毎日2〜3時間、自宅のアトリエで紙に向かった。家族の献身的なサポートもあり、順調に回復。まだ視野が狭く字のバランスに課題は残るが「それも味わい」と多くの作品を作成させ、今回の開催にこぎつけた。

 5回目となる今回の個展では、脳梗塞からのリハビリも兼ねて書いてきた書と過去の作品など約40点を展示する。「決してうまい書ではないが、病気などの困難にぶつかっても諦めない気持ちを多くの方に伝えたい」と田中さんは意気込む。

 個展は、6日まで開催。時間は午前10時から午後6時(初日は午後3時から・最終日は午後5時まで)。
 

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