川崎警察署の署長として陣頭指揮をとる 小山田 高久さん 幸区在住 58歳
地域と繋がる警察を
○…戸塚署に続き、署長職は2度目。「目指すのは明るく風通しの良い警察組織です」と語る。県内でも屈指の繁華街が広がる川崎駅周辺で、地域や署員と協力して犯罪を抑止していく。「事件の通報だけでなく、相談や要望など住民の声に耳を傾け、地域と警察の繋がりを深めていきたい」
○…少年時代から正義感は強かったが、最初から警察官になりたかったわけではない。当時は学びたいという気持ちが強く、大学進学を希望していたが家庭の事情で断念。そこで目に留まったのが、法律を学びながら働くことができ、特技の剣道を生かせる警察官。不安と希望を抱えて入った全寮制の警察学校は、同年代ばかりですぐに打ち解けた。「厳しい訓練も仲間となら乗り切れた」と振り返る。警察官としての意識が強く芽生えたのは、21歳の時に出動した学生運動デモの鎮圧。大学生と対峙しながら「進学していれば自分もあちら側にいたのかも」と思いがよぎったが「自分は警察官だ」という意思を持って行動した。「社会を守る立場なのだ」
○…その後も強盗や立てこもりなど、神経が磨り減るような事件に多く遭遇し、様々なことを現場から学んだ。命の尊さを実感することが多くなった。交番勤務で遭遇した事件では現場に可燃性ガスが充満し、自身の命も危険にさらされる中で、周囲に被害が及ばないよう無我夢中で対処した。「命をかけて命を守る仕事だと実感した瞬間だった」と話す。解決に至る度に達成感と共に警察官としての使命感が強くなる。「住民の命も財産も全てを守っていく」
○…山梨県富士吉田市出身。剣道5段の腕前で中学3年の時に山梨県体育大会の個人戦で優勝した経験を持つ。絵画鑑賞や史跡めぐりなど多趣味だが、園芸やペット飼育はしないという。理由を聞いたところ「死んだら可哀想だから」と一言。多くの経験を積んだ厳格さの中に繊細さを垣間見た。
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4月19日
4月12日