世界に轟く浮世絵ミュージアム 川崎・砂子の里資料館が10周年
旧東海道沿いにある川崎・砂子の里資料館(斎藤文夫館長)が今月、開館10周年を迎えた。地域ではまち歩きの訪問スポットとして市民に愛される同館は来年5月にはフランス・ロートレック美術館で出張展を開催するなど、その名は世界的に広まりつつある。
01(平成13)年にオープンした同館は、元参議院議員の斎藤さんが長年にわたって収集している浮世絵を月替わりで一般公開。「日本の宝である浮世絵を、多くの人に身近に感じてもらいたい」と、入館料を一切とらず、これまで述べ6万人余が来館した。
所蔵する浮世絵の中には世界に一つしかない鈴木春信の「風流やつし七小町」の7枚揃いの紅摺絵や初代歌川広重の「武蔵多満川」など、浮世絵学会内でも評価の高い作品もあり、斎藤さんのコレクションは注目を集める。
出張展の依頼も増え、今夏には鳥取県米子市美術館で特別展を開いた。05(平成17)年にはアメリカワシントンD.C.とメリーランド大学で展覧会を開き、来年5月にはフランスのロートレック美術館での出張展が決まるなど、海外からのオファーも増えつつある。
今月13日に開かれた砂子の里資料館開館10周年を祝う集いの席では山口桂三郎国際浮世絵学会会長が「内容、質ともに世界の美術館にひけをとらない。川崎と世界をつなぐ架け橋になってもらいたい」とのエールが送られた。
観光スポットとしてさらなる期待
江戸町風の外観の同資料館には、多くの歴史愛好家やまち歩きの参加者が訪れ、地域の観光名所としても定着する。13(平成25)年度には同館の近くに旧東海道に関連した文化・交流施設が開設される。「川崎・砂子の里資料館が地域活性の拠点としての期待はさらに高まる」といった地元からの期待の声も聞かれる。
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4月19日
4月12日