川崎区浜町2丁目のおばあちゃんチアリーディングチームが奮闘している。もともと健康維持を目的に始めたチアリーディングの練習が上達とともに本格化し、数々のステージにも出演。そのエネルギッシュな演技は、町内会の高齢者たちにも元気を与えている。
ロック調のアップテンポな楽曲にのり、おそろいの衣装でダンスに励む。横一列に並んで足を高く上げるラインダンスなどのハードな動きにもスマイルを崩さない。「練習熱心で、基本に忠実。足は爪先まで伸びるし、アームモーション(腕の振りつけ)も正確です」。コーチを務める前岡宏佳さんは話す。
メンバーの多くは70代。84歳のおばあちゃんも元気に汗を流す。現在17人が「浜町2丁目シニアチアチーム」として活動し、地元町内会館で毎月2回練習を行っている。
「フラダンスよりも活発な運動をしたい」。2年前、婦人会のサークル活動を考えていた際に、会員の中からそんな声が上がった。そこで行き着いたのが「チアリーディング」。プロスポーツチームの専属チアチームでディレクターを務め、婦人会員の娘でもある前岡さんをコーチに迎え、町内会館での練習が始まった。
「最初は『健康体操』のようなゆったりしたものでしたが、やっているうちにみなさん上達して、発表できるようなダンスに仕上がってきました」と前岡さん。一昨年9月には、浜町2丁目町内会の敬老会で初舞台を踏んだ。婦人会会長でメンバーの一人でもある村田千代乃さん(80)は「体を動かすのは楽しい。自信もついて、みんな舞台を楽しむようになった」と話す。
チームワークが重要視されるチアの演技を通して村田さんは「婦人会の結束も深まり、会食会などを手伝ってくれる人も増えた」と地域活動の活性化も実感していた。「楽しみより苦しみ」と冗談を飛ばしていた堤佳枝さん(79)も「脳の活性化にもなっている気がする」と笑顔だった。
はつらつとした演技に刺激を受ける地域住民も多い。何度も応援に駆け付けている浜町2丁目町内会会長の石和田正美さん(65)は「町内には年配者が多いけど、みんな『おれもまだやれる』とパワーをもらっている」と喜んでいた。
現在も町内会のイベントで定期的にダンスを披露しているほか、昨年12月には教育文化会館でのイベントにゲスト出演。技術の向上とともに、大きな舞台にもチャレンジするようになった。今年は秋の市民祭りへの出場を目指している。
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