ガラス工芸研究所 一般社団法人化を検討 今年度中の取得を目指す
幸区塚越に拠点を移し、来月3日から本格始動する東京ガラス工芸研究所(松尾敬子所長)が経営の安定化をはかるため、一般社団法人化を検討していることが分かった。今年度中の取得を目指すとしている。
同研究所は、81年に日本初となる造形技術の総合教育機関として中原区で始まった。04年、施設の老朽化などの理由で川崎区殿町に移転。ガラス作家の養成とともに市民講座の開催などを通じガラス文化の発信基地の役割を担ってきた。一方で、生徒数の減少に歯止めがかからないことや東日本大震災で委託事業が解除されたことなどから財政状況は行き詰まりを見せ、今年1月には経営難が表面化した。
松尾所長によると、経営悪化が報じられた当初は辞めることも覚悟していたが、卒業生から「辞めないで欲しい」や「火を絶やさないで」との声が届けられたほか、多額の寄付金が寄せられ、その思いに応えようと存続を決めた。
川崎区殿町に構えていた同研究所は、高額な家賃で経営を圧迫していた要因の一つであることから、施設を幸区塚越へ移転。さらに補助金を受けやすくするため、一般社団法人化を検討。今後、企業とのタイアップした商品の開発や通販業への参入、海外展開に向けた商社との交渉など、新たな振興に向けた展開にも結びつけていき、最終的には公益化も視野にいれる。
松尾所長は「これまで30年間以上川崎の地でガラス工芸の基礎を築き、1000人以上の卒業生を輩出してきた。ガラス作家のネットワークを川崎で作り、ガラス文化の浸透を図っていきたい。そしてゆくゆくはガラス工芸品やリサイクル技術などの需要が高い東南アジアへ技術の輸出などを行い、ガラス文化の定着を目指していきたい」と話している。
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4月12日
4月5日