「大師グルメ」開発中 来年1月に試食イベント
ご当地グルメで大師の商店街に賑わいを―。川崎大師表参道商業協同組合(山本浩文理事長)の有志らが、大師地区にゆかりのある食材を使った「大師グルメ」の開発に取り組んでいる。来年1月には試食会を実施。多くの試作品から候補を絞りこむ作業に入った。
初詣の時期だけではなく、1年を通して大師の商店街に賑わいをもたらそうと、同組合員の有志を中心に設立した平成大師グルメ創作委員会。今回のプロジェクトは、国の事業として全国商店街振興組合連合会が進める「にぎわい補助金」の助成を得て実施する。同委員会の及川哲さんは「年間を通した賑わいを呼ぶには、新しい魅力作りが必要。ご当地グルメをたくさんの人に食べに来てもらうことが活性化に繋がる」と話す。来年1月18日(土)、19日(日)、21日(火)、25日(土)、26日(日)には川崎大師駅前で一般に向けた試食会を行う予定だ。
大師ゆかりの食材で
かつて大師地区には長十郎梨をはじめ、栽培や生産が盛んに行われていた食物がある。昭和30年から40年代には、大師地区でいちじくを収穫して関東一円に出荷していたといい、今回はいちじくを使用したメニューも多く創作した。その他、昭和9年頃養殖が盛んに行われていた海苔や、かつて工場があったことからメルシャンのワインを使ったものも。仲見世名物のくず餅やわらび餅、咳止め飴なども、大師の名産として取り入れた。
女性料理研究家のアイデア生かす
グルメの試作については「若い人や女性にもたくさん大師を訪れてほしい」との思いから、同委員会が若手女性料理研究家6人に依頼。「チーム・平成大師グルメ」を結成した。4回の試作会を経て、22日に行われた最終の会では、当初挙げられていた約70種のレシピやアイデアから、約20種まで絞り込んだ。
試作品は、梨ジャム、いちじくのケーキ、咳止め飴をからめた大学芋、海苔佃煮を混ぜた大師コロッケなど。麻婆くず餅といった変わり種もあり、仲見世のくず餅店「住吉」の店主で同委員会委員の森明弘さんは「くず餅を転用したことで、幅が広がる。こんな使い方もあるのかとびっくり」と、目を丸くした。
また、「ご利益」の観点も重視し、数個に1個の割合で中に秘密の具材を入れたわらび粉のフォーチュンドーナッツ、きなことはちみつみそをかけて金色を表現した金運くず餅など、川崎大師ならではの演出を施したメニューも製作した。
試食会でのアンケート参考にして商品化
1月の試食会ではここからさらに絞られた10種程度が並べられ、参加者に試食した感想などをアンケートで提出してもらい、今後の商品化へ向け参考にする。
選ばれた大師グルメについてはレシピを公開し、大師地域の商店や飲食店にアイデアを提供。店ごとの特徴を織り交ぜて大胆にアレンジすることも可能だという。「同じメニューでも、各店によって多種多様な味が楽しめたら面白いですよね」と、及川さん。大師グルメと川崎大師への参拝を合わせて楽しむことができる魅力的な街として、広く発信していきたい考えだ。
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4月19日
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