排ガスの影響軽減図る 産業道路に「環境レーン」
歩道寄りの1車線を「環境レーン」として設定し、排気ガスの多い大型車の走行を規制する取り組みが、産業道路(県道6号)ではじまる。対象は市内のみで、浅田から大師橋まで。沿道の大気環境改善が目的で、3月上旬までに実施される見通し。実施主体は国交省関東地方整備局、川崎市、神奈川県警、首都高速道路(株)の4者。
大型車の通行を中央寄りの車線に限定することで、沿道への排気ガスや騒音の影響を軽減。地域住民や通行者にとって住みやすい環境づくりを目指す。
規制の対象となる第1通行帯には「環境レーン」の文字が入る。大型トラックやバスは左折などの場合を除き、中央寄りの車線を走行することが求められる。罰則規定はない。
実施の背景には、産業道路周辺の環境問題がある。現在、市内18カ所にある大気汚染状況の監視局のうち、産業道路脇にある池上局だけが、呼吸器系統への影響があるとされる二酸化窒素(NO2)の日平均値で環境基準を上回っている。排ガスに含まれるNO2削減に向け、これまでにもETC大型車に対して割引措置をとって高速道路への迂回を促すなど対策が講じられてきたが、環境基準達成には至っていなかった。
環境対策のために通行車線を規定する試みは、兵庫県での事例に続き全国で2例目。兵庫県では2012年3月から国道43号(尼崎市―神戸市灘区間)に「環境レーン」を設置している。国交省近畿地方整備局によると、現在の課題はルールの周知にあるという。環境レーンを走る大型車の割合は開始1年間で微減したが、上下線とも20%を超えている。
実施4者は今後、歩道橋への協力を仰ぐ横断幕の設置や、各企業やトラック協会などへの協力呼び掛けで周知を図っていく。
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4月19日
4月12日