「ありがたい」「家に飾りたい」――。池上新町在住の上野貞男さん(81)が制作している木彫りの置物が、近所で静かな人気を呼んでいる。
上野さんは30年前から趣味で木彫りを始め、七福人やタヌキ、家紋、池上新町町内会館の看板など100点以上の作品を制作してきた。地区の作品展に毎年出展していることもあり、評判が口コミで広まり、今では定期的に作品をもらいに来るファンもついている。
きっかけは、見よう見まねで自宅に神棚を作ったこと。もともとノリ漁師で、ノリ網を手作りしていた上野さんは、手先の器用さに自信があった。町内にある本家の神棚を見て「自分でも作れるんじゃないか」とレプリカ制作を思いつく。本家に通って図面を取り、彫刻部分まで忠実に再現。半年で本物そっくりの神棚を作り上げた。その後も家にあった布袋様や、新聞の広告で見かけた七福神の置物を見るたび「自分でもできる」とノミをとった。気づけば物置には作品があふれていた。
制作ペースは年々増している。「前は1体に2週間かけたけど、今は3、4日。上達するのはうれしい」と笑顔を見せる。その熱中ぶりは「作業場に入ると、ご飯まで出てこない」と夫人もあきれるほどだ。
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