川崎市ふれあい館館長を務める 田(チョン)貞桃(チョンド)さん 川崎区大島在住 61歳
「チャンゴ」屈指の使い手
○…地域に住む日本人と外国人が交流する施設「川崎市ふれあい館」(川崎区桜本)の5代目館長として、4月から館の舵取り役を務める。「飾らない気さくな人柄」が周囲の評。その言葉通り、館では子どもから年配者まで誰もが「チョンドさん」とフレンドリーに接する光景が見られる。館長としての意気込みは「地域の居場所として誰もが訪れやすい場を引き続き、つくっていきたい」と笑顔を見せる。
○…幸区戸手出身の在日コリアン2世。若かりし頃は韓国・朝鮮の打楽器「チャンゴ」に魅せられ、全国各地を演奏して回っていた。30代前半で韓国の権威ある大会で優秀賞を獲得し、その世界では日本有数の使い手として知られる。市ふれあい館には14年前から勤務。長年、子どもの遊び指導やチャンゴ教室の指導などに携わる。
○…館近くの桜本商店街や市立さくら小学校ではチャンゴやプク(太鼓)、ケンガリ(金属打楽器)などを駆使した韓国・朝鮮の農楽(伝統芸能)「プンムルノリ」が毎年披露されている。秋の終わり頃には「キムジャン」と呼ばれるキムチづくりの体験会も開かれている。来年には開館30周年を迎える中、館に関わる様々な人による文化普及活動が地域に根ざしつつあることに目を細める。「この地域には東南アジアや南米など、いろいろな国の人がいて、みんな仲良く暮らしている。多文化の色をもっと出していければ」と、さらなる意欲を見せる。
○…中学、高校時代は卓球部でならした「スポ根」女子を自認する。高校2年生と3年生の時にはインターハイに出場。館ではしばしば子どもたちと対戦し、その腕前を発揮する。また、「凝り性」であるともいい、ステンドグラス制作にも没頭した時期もあった。いつかはハーモニカやウクレレにチャレンジしたいと夢見るが、館長職として多忙を極める当面はお預けとなりそうだ。
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4月19日
4月12日