川崎市は、開かずの踏切により渋滞が発生しているJR南武線尻手駅・武蔵小杉駅間の連続立体交差化に向け、本格的な調査を始めると発表した。調査は6月上旬頃から開始し、2年程度の期間を予定している。
今回発表された立体交差化事業調査は、JR南武線尻手駅(幸区南幸町)から武蔵小杉駅(中原区小杉町)までの区間(約5・5Km)が対象で、間には4つの駅と13個の踏切がある。
開かずの踏切(1時間あたりの最大遮断時間が40分以上となる踏切)による渋滞の発生や歩行者の安全性の低下といった交通に対する課題のほか、避難路や緊急輸送路の妨げになるなど地域防災に対する課題もあり、市は2008年度から独自に立体交差の有効性に関する調査を進めていた。
事業の適正を判断した結果、交通の円滑化や安全な歩行の実現、防災機能の向上などの効果が見込めると判断。今年度になって国への要望が通ったため、国庫補助金を活用した2億2千万円(今年度)の予算を投じて、本格的な調査に着手することになった。
現地調査はJRに委託し地質調査のほか、設計図などの作成のための航空測量と路線測量を実施する。合わせて線路配線や構造、事業費などの検討も進める。ただ、横浜市にある尻手駅から矢向駅間は、横浜市が他路線との兼ね合いから事業の有効性を見極めているため、航空測量のみを行う。
今後の計画では約2年間の調査を終えた後、関連事業計画や環境影響調査などの詳細調査を約3年間実施。その後、横浜市との調整や調査結果を判断し、用地取得、工事着工という流れになる予定。
市担当者は「調査を行い立体交差が実現すれば、地域の分断化を避けられることで街の発展につながる」と話している。
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