○…ヨガインストラクターになって2年。磯子区や地元である埼玉、東京などで教室を開き、指導している。「主役は生徒さん。習う人の目線に立ったクラスづくりを心掛けています。本当は先生って呼ばれるのも嫌なんですよ」。そう言って屈託のない笑顔を見せるが、心には大きな傷を抱えていた。
○…物心がつく前から、ずっと“いじめ”にあっていた。「幼い頃からだったので、自分でも当たり前のように思ってしまっていた。身長が高かったから標的にされたのかもしれない」。この環境から離れたいと考え、私立高校へ。しかし、そこでもまた“いじめ”の対象になり、ひきこもりになってしまった。「世の中から置いてきぼりにされていると感じて死ぬことばかり考えていた」と当時の感情を思い起こす。そんな時、偶然テレビで(株)K2インターナショナルの海外での就労支援学校の存在を知る。
○…ニュージーランドにある同校に入学を決意。同じような境遇にある人たちと共同生活を送り、学校に通った。「辛いのは自分だけではないと知った」。現地の友達もでき、約3年間充実した日々を過ごした。その後もボランティアスタッフとして滞在するなど、同社との関係も深まり、社員として働くことに。根岸駅前にある「お好み焼きコロンブス」に5年間勤めた。在勤中に椎間板ヘルニアの治療のために、ヨガを始める。これが出会いだった。
○…「いまは自分を評価してくれる人はいないから、生徒さんの声が評価になる。ヨガが癒しの時間となってくれたら」。辛い過去があったからこそ、周りへの感謝を忘れずに自分の進む道をしっかりと見据えている。「この傷は決して忘れてはいけないと思う。向き合うことで、周りで同じことが起こったときに、すぐに気づけるから」と力強い眼差しで語る。過去を乗り越えたからこそ見つけられた自分の道。いまはただ真っ直ぐに、前へ進む。

