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2008年7月18日号
人物風土記 横須賀版一覧へ戻る
「撮り続けるのが
 自分なりの恩返し」
カンボジアほか、世界を巡る
フォトジャーナリスト
安田 菜津紀さん
久里浜在住 21歳

 ○…カンボジアでたくましく生きる子どもたちの日常を追い続けるフォトジャーナリスト。貧困や虐待、人身売買で大人たちに裏切られ過酷な生活を余儀なくされても、それでも笑顔を絶やさない−そんな彼らの豊かな表情を切り取った新鮮な写真の数々が今、大きな評価と注目を集めている。7月5日には、青年版国民栄誉賞と称される「人間力大賞’08」(=日本JC主催)で特別賞を受賞。彼女の活動に光を当てたドキュメンタリー番組も先ごろ放送されたばかりだ。

 ○…なぜカンボジアなのか? それには理由がある。中学生のときに父と兄を亡くし、残された母・妹との3人の生活はいつもギクシャクしていた。「それぞれが自分のことで精一杯。家族ってなんだろうという疑問をいつも抱えていた」。そんな時に高校の先生の勧めでカンボジアの体験留学に参加した。自分よりもっと厳しい環境に置かれているはずの彼らだったが、幸せを信じる笑顔がたくさんあった。「それに出会ってはじめて穏やかな気持ちになれた」のだった。

 ○…バイトに明け暮れ、必死に貯めたお金でカンボジアに向かうのは、等身大の彼らの姿を世に伝えるためだ。「日本で報じられる写真はいつも貧しく、苦しく、悲しいものばかり。それだけじゃないってことを知ってもらいたい」。医者でもなく、お金もない、今の自分にできるこれが唯一の恩返しなのだという。

 ○…「この先の半年はスケジュールがぎっしり」とにこやかに微笑む。現役の大学生だが今は休学中。この1年は「自分磨きの年」と位置づけ、中近東を中心に世界を見聞きする。この夏は新聞社からレポート記事も任された。パラリンピックに出場する女子の卓球選手の密着取材で北京まで追いかける。近い将来には、腰を据えて地元横須賀の基地問題にも取り組みたいと意気込む。その時は、どんな視点で伝えてくれるのだろうか。

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