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生田緑地で9月から、環境省の「モニタリングサイト1000」の生態系調査が本格的に始まった。全国各地に多数の調査地点を設定し、日本全国の生態系の動向を把握するのが狙い。全国の里山里地と比較することができ、生田緑地固有の生態系が明らかになりそうだ。
「ただ緑があるということではなく、生田緑地を、かつての多摩丘陵の谷戸に普通にいた生物の生息環境の緑として捉えて欲しい」
そう話すのは、今回のモニタリング調査を行うNPO法人「かわさき自然調査団」の岩田臣生さん。
「モニタリングサイト1000」(正式名称=重要生態系監視地域モニタリング推進事業/以下、モニ1000)は環境省が03年に開始した生態系調査。全国から森林や里地、干潟など様々なタイプの生態系約1,000ヵ所を選定し、地域の専門家や市民団体などが調査に参加して長期的な生態系の変化を把握する狙いがある。全国ではこれまでに、100年をめどとした調査を行う「コアサイト」18ヵ所と5年間調査を行う「一般サイト」181ヵ所が設置され、調査が進められている。
生田緑地では、自然環境の調査などに取り組む同調査団が今年2月、「モニ1000」の里地調査に応募。選考の結果、今年6月に一般サイトに選ばれた。
生田緑地は高尾山から多摩川や横浜方面に延びる多摩丘陵に位置し、地域固有の動植物が生息・自生している。多数の湧水があり、生態系を形成する上で重要な役割を果たしている。
岩田さんによると、生田緑地にはゲンジボタルが自然繁殖し、タヌキやアカネズミなどの哺乳類も生息しているという。県内で限られた地域でしか見られないような動植物がまとまった規模で多くの種類が確認されているという。
調査内容は鳥類や植物相、ホタル類、中大型哺乳類、水環境、人間が自然に与える人為的インパクトの6項目。同調査団のメンバーが専門分野に分かれて30〜40人体制で5年間掛けて調査する。今月半ばに哺乳類調査のためのカメラを3台設置した。現在のところ外来種のアライグマは確認されていないが、「外来集の進入もチェックできる」と期待を寄せる。
岩田さんは「川崎市内では、多様な生物が生息できる環境があって昔からの生物が残っている場所は、生田緑地と麻生区黒川などに限られている。今あるところの質を良くすることは可能。環境を守るためには行政だけでなく、市民の手も重要」と話している。 |