タウンニュース
ホームエリア情報イベント採用情報会社概要自費出版IR情報
 > ホーム > エリア情報 > 藤沢版 > トップ記事
2007年3月2日号
トップ記事 藤沢版一覧へ戻る
藤沢市立六会中 建替え問題
「非常に珍しいケース」
文部科学省が見解示す 2度の調査でも耐震強度見抜けず
 

 なぜ、2回も調査をしながら耐震強度を見抜けなかったのか─。

 藤沢市立六会中学校の耐震補強工事問題で、工事を行う前に実施した耐力度調査について所轄の文部科学省は、調査項目などは「問題はない」とし、六会中学のケースは「非常に珍しいケース」との見方を示した。また、調査は建物の老朽化を判断するもので、施工不良を調査するためのものではない、とした。

 今回の耐震補強工事で市は耐力度調査、耐震調査(国土交通省が管轄)と、工事前に2度の検査を実施。この結果を踏まえ、「建替えでなく、補強工事が妥当」と判断、工事を進めていた。

 だが、工事途中で梁や柱に強度不足が判明。昨年秋に工事を中断し補強工事から建替え工事に変更した。強度不足に市は、当時の施工業者の「コンクリートの技術不足」が原因と話す。

 藤沢市と同様のケースは神奈川県内では、山北町で1件、01年度に発生している。山北町の強度不足は、 業者の工事が原因だった。

耐震調査にも限界
約1600万円の調査費用もフイに

 昨年、耐震補強工事が中止になった六会中学校。藤沢市は現在、補強工事から全面的な建替え工事に切り替え、作業を進めている。工事前のチェックに関係する文部科学省、神奈川県ともに、「工事は藤沢市の判断」とし、責任は市にあるとの考えだ。

 六会中学校は北棟と南棟、体育館からなり、一番古い南棟の西側は、昭和38(1963)年度に建設したもの。新しい部分でも昭和53(1978)年度に建てられ約30年が経っている。

藤沢市
調査もとに判断

 校舎の管理を担当する藤沢市教育委員会学校施設課はこれまで、建替えを視野に入れながら1990年、校舎の老朽化などをチェックする耐力度調査(文部科学省が管轄)を約1080万円かけて委託事業として実施。藤沢市が全面建替えを実施する場合、国からの補助を受けるための調査だった。

 調査結果は、基準を上回っていたため、耐震強度を高める大規模改修工事が適切と判断。補強工事の方法を探るため、2度目の調査、耐震性能判定(国土交通省管轄)を2002年に約525万円かけて行なった。

 昨年夏、耐震補強工事をスタート。秋、内装を除き、躯体が見えた段階で、コンクリートの強度に問題があることが分かり、工事をストップさせた。
 
 国も県も
「市の責任」

 
 工事の前提となる2度の調査、どちらもルールに沿って適正に行ったと話す藤沢市教育委員会学校施設課。校舎ごとにコア抜きと呼ばれる、コンクリートの抜き取り調査を実施している。

 ただ、抜き取る場所は、サッシの下の腰壁など、比較的、抜きやすい部分。「躯体部分のコンクリートを抜くには、内装などをはずさないといけない。子どもたちも授業で校舎を使っており、躯体までやるのは難しい」と話す。

 耐力度調査を管轄する文部科学省施設助成課は、「校舎の建設施工工事が適切なら」とした上で「調査結果で藤沢市が判断したのであれば、仕方がない」とし、「調査結果では問題がないものの、実際の工事で問題が発生したケースの件数は把握しておらず、調査の基準を厳しくすることは考えていない」と話す。

 耐震性能判定では、市に対して工事前にヒアリングを行った神奈川県教育委員会教育局教育財務課では「国のルールにのっとり書類をみてヒアリングを行った。直接現場には行っていないが、工事をするかしないかは、藤沢市が判断すること」と、責任は、藤沢市にあるとの考えだ。

 学校施設課では、「昭和38年当時、市側の工事に対するチェックが甘かった、当時の建設技術も今と比べて低かったのでは」と話している。この問題については1月、市が責任を取る形で山本捷雄市長をはじめ、久世善雄、石渡朝司両助役の減給を行っている。


藤沢版一覧へ戻る