大船渡中学校サッカー部にユニフォームを寄付する活動を推進した 笹本 二郎さん 南区大野台在住 65歳
「まず行動」想いは被災地に
○…心を動かしたのは、1つの”つぶやき”。津波でユニフォームが流されてしまった仲間がいるという大船渡中学校サッカー部員の小さな叫びが、偶然『ツイッター』上で目に留まった。ちょうどその日は5月3日。「子どもの日が近かったので、約束をプレゼントできたら」。方法を考えるよりも先に、即ユニフォームを送る旨を申し出た。「迷いはありませんでした」。
○…考えるよりまず行動、と翌日から奔走。市内のスポーツ用品店、サッカーの関連団体、各メディアなど様々な場所に協力を呼び掛けた。その熱意で、ユニフォームの製作や資金面で協力者を集めることに成功。「OFUNATO」とプリントされたユニフォームが完成すると「子どもたちに喜んでもらえそうですね」と、ほっとしたような笑みを浮かべた。
○…中国の伝統弦楽器「二胡」の愛好者サークル「二泉映月」の代表を務める。サークル名の由来は同名の曲。作曲した中国の音楽家・阿炳(アービン)の存在に興味を持つなり研究に着手、「日本に広めたい」と行動し始めた。強い願いが海を越えて伝わり、阿炳の生まれ故郷である中国・無錫(むしゃく)市の協力を得て、93年に生誕百周年コンサートを実現。「二胡が中国・阿炳との縁をつくってくれました」。
○…現在の職場である介護施設で演奏を披露することもあり、「音楽から家族や仕事、大勢の人とのつながりをもらいました」と振り返る。だからこそ音楽で気持ちを届けたいと、先月には復興支援コンサートを開催。息をつく間もなく、第2弾の計画も進めている。今回はスポーツ支援となったが、「今後は大船渡市とスポーツでもつながれたらいいですね」と夢は尽きない。思い立ったら即実行する行動力で、想いは海外にも被災地にも届く。そう信じて、歩みを止めずに走り続ける。
|
|
|
|
|
|