被災地への願いを込めて16日と17日、和泉短期大学駐車場で「ガンバレ東北 復興支援 青葉2丁目納涼大会」が開催された。祭りは毎年恒例だが、今回は東日本大震災を受け、実行委員会をはじめとした有志で内容を変更。当日は延べ300人以上が集まり、義援金を名目としたメッセージ花火など、いつもと違うプログラムに喜ぶ子どもの姿も多く見られた。
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震災から一カ月が経過した今年4月初旬、青葉2丁目自治会(板垣保宏会長)では、小さな子どもを持つ母親を対象にアンケートを行った。「毎年恒例の花火大会をやるべきか否か」。あちこちで自粛ムードが広がりつつあり、大会実行委員会(宮崎雄一郎代表)は祭りの開催自体を悩んでいた。結果は、約90%が「やってほしい」と回答し、住民の強い要望が表れたものとなった。それと同時に集まったのが、被災地のために何かしたいという多くの声。その想いに応えるため、実行委員会で議論が重ねられた。節電を考慮した結果、電気を使わないキャンプファイヤーが盆踊りの代替案としてあげられるなど、意見が次々と出された。
収益の一部を被災地へ
夜空に復興の花火
地域住民が一体に
今までにない内容となった納涼祭りの準備は、スムーズにはいかなかった。特に実行委員長の宮崎さんは仕事の関係で準備に時間が割けず、両立に悩んだこともあったという。
そんなとき、淵野辺公園で男子中学生に話しかけられた。「お祭り、やるの?」。少し不安そうな表情の男の子は、宮崎さんが「やるよ」と答えるとパッと笑顔に。その表情が迷いを吹っ切り、「もう少し頑張ってみよう」と決心を固くさせた。
メッセージを込めて
そして当日。模擬店には多くの子どもたちが集まり、笑い声が溢れていた。会場には、周辺の自治会に借りたものと合わせて自家発電機を5台設置。「これから貸し借りしていけば、節電の輪が広がるでしょ」と板垣自治会長は胸を張った。
メーンは、誰かへの想いをアナウンスして打ち上げるメッセージ花火。通常は、費用の関係で自治会の祭りで実施されることは、ほぼない。しかし、相模原納涼 大会でも打ち上げを担う相模煙火店の協力を得て、1口5千円で住民に協賛を募り実現した。「一日も早い復興を」「絆を強く住みやすい街に」など被災地や地 元へのメッセージが読み上げられ、花火が打ち上がった。人々は歓声をあげ、最後の一発が消えるまで夜空を見つめていた。
イベント終了後「準備した人も参加者も元気になれた、良い祭りになったのでは」と、宮崎さん。全体の収益の一部を被災地へ送る予定となっており、「今後は周囲の自治会と共に区全体の祭りをつくっていければ」と夢を語った。
被災地に向けて、住民が一体となった今回の祭り。震災後、浮き彫りになった「地域のつながりの大切さ」を、改めて感じさせるものとなった。
浴衣姿ではしゃぐ子どもたち
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