「第11回アンサンブルコンサート」(杜のホールはしもと)の実行委員長兼トロンボーン奏者 鈴木 崇さん 横山台在住 42歳
音で表現する自らの「情熱」
○…トロンボーンの美しい音色が静まり返った会場中にこだまする。「音楽は自分を伝える手段。楽器を通して私という人間をどう表現するか。そこが一番のやりがいですね」と熱っぽく話す。いよいよ2日後に迫った「第11回アンサンブルコンサート」。トロンボーンを持つ腕にも力がこもる。
○…区内清新出身。小学3年の時にギターを始めると、中学では吹奏楽部へ入部し、トロンボーンにのめり込んだ。高校時代は「さがみはら市民オーケストラ」に所属。多くの演奏家としのぎを削るなかで腕を磨き、念願だった音大へ進学した。本格的にプロを目指し始めたのはこの頃。名だたるプロ楽団をいくつも受けたが不合格の連続。「1つのイスを、100人以上で競い合う。厳しい世界ですね」と当時を振り返る。卒業後はフリー演奏家として活動。アルバイトで生計を立てた日々を回想し、「お金はなかったけど、すごく貴重な時間。人生の中の宝物です」と笑顔を覗かせた。
○…現在は音楽教師として座間市内の中学校へ勤務する。転機となったのは24歳の時。フリー演奏家として、高校などの吹奏楽部を指導するなかで、「教師に向いているのでは」と周囲に勧められた。悩むなかで教師になることを決意すると、大学へ通い直し28歳で教壇に。「トコトン生徒と向き合う」ことをモットーに、子どもたちへ情熱を傾ける。
○…教師となって気づいたのは、音楽を楽しむことの大切さ。プロを目指していた頃は技術を高めることばかり考えて、いつも自分と他人を比べていた。「あいつは自分より上手いとか下手とか。そんなんじゃ息が詰まるし、楽しくない」。生徒には技術や知識よりも、音楽の楽しみ方を自分なりに伝えてきた。実行委員長を務める「アンサンブルコンサート」も音楽を楽しむことが目的。「私が表現したいのは情熱」。2日後には熱気に満ちたトロンボーンの音色が杜のホールに響き渡るはずだ。
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