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原子力と向き合う力を タウンレポート   東北の桜に託した想い

社会

公開:2012年5月24日

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 南区在住の伊藤洋佑さん(34歳)は昨年4月、列島を北上し、桜をテーマに被災地を写真に収めた。今春の様子も撮影し今月、ギャラリースペース游(千代田)で写真展「東日本桜前線2011」を開催した。

 震災直後、広島の原爆資料館を訪れ、目にした戦後の焼け野原が「津波後の東北と重なった」と話す伊藤さん。戦後66年(今年67年)を迎えた広島で人々が花見をする姿に、「諦めなければ福島だって元に戻れる」とメッセージが浮かぶ。と同時に、これまで広島が原子力に対して訴えてきたことに、なぜ真剣に向き合わなかったのかと疑問も抱いた。「脱原発という福島の訴えにどう耳を貸すか。市民レベルで判断できるようになってほしい」。桜をテーマとした記録撮影が始まった。

 撮影は延べ20日間。液状化の起きた千葉から青森まで地震の影響が見られた場所でシャッターを切り、”2011年の本当の東北”を残すため、被害を逃れた地域の姿も収めた。「この活動は長期的に続けよう。いつか桜の下でお花見をする人の姿が撮れれば」。そんな想いで初年が過ぎた。

予測しない出合い

 今年4月、伊藤さんは昨年訪れた地を中心に延べ25日間撮影に向かい、予測しない出来事と出合う。

 福島県の中通りで「(放射能の影響を考慮して)公園の利用は1日1時間に」と書かれた立看板や線量測定機が設置された町並みを目にした。冷静に考えるうち、これは放射線と戦っている地域が、本当の安心・安全を自分たちで判断するための知恵と気付く。「ここから学ぶことは多い。私たちが住む地域にも活かさなくては」。伊藤さんは、自身の写真を通して見る人に勉強してもらい、物の見方を鍛えてほしいと願う。「桜は話のきっかけ。見て自分たちに置き換えて、日本全体を考えて」と力を込める。

 他人事でなく自分のこととして原子力と向き合い、判断できるようになってほしい―。伊藤さんの写真には、子どもたちの未来のためになればという想いが溢れていた。(今後の開催は未定)
 

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