電子機構部品工部門で「相模原市技能功労者」に選ばれた 河本 正光さん 淵野辺本町在住 61歳
工作への誇りを胸に
○…優れた技能を持ち、他の模範と認められる者を表彰する「相模原市技能功労者」に選ばれた。JAXAの宇宙科学研究所工作室工作員として、機器開発や運用の面での長きにわたる貢献が認められた形だ。同研究所が東京大学宇宙航空研究所だった時代から、打ち上げたロケットと衛星・探査機には、自らが製作した魂のこもる機器が数多く搭載されてきた。
○…少年時代、友人がアマチュア無線を製作している姿を見て、「面白そうだな」と感じ、電子工作に興味を持った。それからはアマチュア無線製作に明け暮れる毎日を送る。高校卒業後、松下通信工業株式会社に入社。入社後間もなく一つの転機が訪れる。電子機械組立てを競う技能オリンピックの強化選手として1年間、電子工作の特訓を受ける。惜しくも本選出場はならなかったが、はんだ付けの上手さが評価され、宇宙機器製造係に配属となった。
○…子どもの頃から手を動かすことが好きで、竹とんぼなどの工作が得意だった。いたづらが好きと答えるように、今でも工作への思いは人一倍強い。「ものづくりに誇りを持っている。これからも生涯現役でいたいんです」。電子工作技能者として働くようになっても、ものづくりが大好きだった少年の頃の気持ちをいつまでも忘れないでいる想いが垣間見えた。
○…これからは自らの技術力向上を目指しつつ、長年培ってきた電子機器組立工の経験を活かし、後輩の育成にも取り組む。宇宙科学研究所に物理科学専攻の専門生を招き、講義や基礎実験の指導を行っている。「十の実験、一の成功。まずは何事も恐れずにやってみることが大事。そこから何かを学び取ってほしい」。子どもの頃から愛して止まない電子工作の技術を、次なる人材育成のため伝承していく。
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