地元メーカー 立ち上がれ 技術向上に 官民で研修会
地元の中小製造業の人材育成支援を目的に、相模原市と市産業振興財団は建設機械製造大手キャタピラージャパン(株)と連携して9月から、「相模原ものづくり人材育成研修」を同社相模事業所で実施する。研修は全6回を予定。大手企業による企業間を越えた職業研修は、全国的にも珍しいという。
現在、市にはサービス業などに比べ、製造業の事業所が数多く存在する。そうした中、中小企業については、外資の進出などで売り上げの低下や業務の減少といった問題に直面している。とりわけ人材育成の面では、会社を支えてきた団塊世代の引退で技術継承が困難になっている上、今年3月には橋本台の職業能力開発総合大学校が廃止されるなど、ものづくりの教育訓練の場さえも無くなり、状況は厳しさを増している。
こうした現状を踏まえ市は、中小企業の支援にあたる市産業振興財団と連携し、技術者の育成を目的とした研修会を発案。キャタピラージャパン社に事業を委託し、三者が協力して人材育成の強化に乗り出す運びとなった。
市によると、企業単位の職業研修はこれまでにも実施されていたが、大手企業の協力によって会社の垣根を越えた研修会が実施されることは、全国的に見ても珍しいという。地元製造業の従業員が先端技術の場を肌で感じ、ノウハウを直に学ぶことで、後進の育成や技術力の向上だけでなく、中小企業全体の競争力の底上げを図る考えだ。
地元の中小製造業では、「珍しい取り組みで面白いし、相模原にとっても良い。新人社員を参加させてみたい」と話し、今後への期待感をにじませた。
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