横浜線205系 26年の運行に幕 市民の足 「苦楽をともに」
さらば、205系―。1988年から市民の足となって26年の長きにわたり走り続けてきた、JR横浜線205系車両の運転が23日、幕を閉じた。当日、相模原駅、橋本駅などで開かれたお別れセレモニーには、関係者のほか、鉄道ファンらが来場。慣れ親しんだ車両の労をねぎらい、ラストランを見届けた。
相模原の発展とともに
横浜線205系は、車両を従来の鋼製から軽量ステンレスに替え、大幅な軽量化を実現した車両。山手線に次いで、首都圏では2番目に投入された。同車両の運行開始時期にあたる1988年は、相模原市の総人口が年間約10万人増えるなど人口急増期とも重なるため、市は「(205系は)市の発展を象徴するような車両」と話す。今回の終了は新型車両「E233系」への完全移行にともなうもので、今年2月から順次新型に切り替えられていた。
23日は205系車両のさよなら運転をひと目見ようと、相模原駅には営業開始前から20人が改札に列を作った。ラストランを記念した入場券は同日早朝の段階で完売になるなど、注目度の高さがうかがえた。
運転終了のお別れセレモニーには、地元サッカークラブ・SC相模原の望月重良代表や同チームユースの子どもたち、相模女子大生、観光親善大使らが参加。横浜線で通学する同大社会マネジメント学科1年の三浦やよいさんは「私が生まれる前から、雨の日も、雪の日も市民の足になってくれてありがとう」と感謝の言葉を述べると、須藤理恵相模原駅長は「(205系の営業運転終了後も)皆様に愛される横浜線をめざしていきます」と今後の抱負を示した。
9時13分、予定より3分遅れで205系の横浜線快速大船行きが2番ホームに到着。詰めかけたファンや乗降する利用者が最後の記念撮影を行う中、発車のチャイムに合わせて須藤駅長が出発進行を合図すると、205系はそれに呼応するように大きな汽笛を構内に響かせ、拍手に包まれながら走り去っていった。息子の大輝君と見送りに来た加藤秀雄さん(中央区在住)は「通学で利用して、苦楽をともにしました。お疲れさまですね」と話し、当時の思い出を振り返った。
運転を終了した205系は今後、インドネシアのジャカルタ首都圏鉄道会社に譲渡され、第二の人生を送ることが決まっている。
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