地域における精神保健を考える「アッセンブレアin相模原」を開催した 大石 真弥さん 田名在住 61歳
「障害者を主人公に」
○…精神的な健康の維持・増進を図り、精神障害の予防や治療を行う精神保健の諸問題について考える機会として、討論会「アッセンブレアin相模原」を1月に企画し、運営の舵取り役を担った。「アッセンブレア」とは精神保健分野の先進国であるイタリアの言葉で、自分の考えを他人と対照・比較し、討論するという意味。精神障害者自身と家族、行政がそれぞれの立場から意見を論じ合う場になるよう努めた。
○…約10年前、息子が行動障害を発症。統合失調症と診断され入院した。夫の仕事の手伝いや家事に追われながら介護に尽くす毎日。入退院を繰り返し、行方不明になったこともある。それでも、息子から離れることはなかった。精神保健の知識を求め、関連書を読みあさり、多くの同じ境遇の人に話を聞いた。障害を理解しようと取り組むうちに、息子を症状や行動だけで判断し、障害そのものを受け入れられていない自分に気付いた。障害をいかに抑えるかではなく、息子自身の心の叫びに日頃から耳を傾ける大切さを痛感。その重要性を伝える機会にしようと「アッセンブレア」の企画を決意した。
○…幼い頃から、ラジオで落語を聞きながら寝るほど落語好き。お気に入りは古典だが最近の創作落語や漫才も観る。介護の合間をぬって、息抜きのため浅草の歴史ある演芸場「東洋館」に足を運んだことも。最近では高校時代から趣味の映画鑑賞に行くのが楽しみ。「話題のテルマエ・ロマエも観ました」とほほ笑む。
○…今回は地域における精神医療の質や就労問題など様々な課題について話し合うことができた。次回は各テーマの核に迫る企画を検討中だ。「いずれの課題も障害者を主人公にして考えることが大切」。その上で障害者の本音に迫ることが精神保健の本当の理解につながると確信する。障害者が生きやすい社会の構築のために、家族や支援者に出来ることを模索し続ける。
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