相模原市は17日、日本最大手の地図制作会社・(株)ゼンリンと「災害時における地図製品等の供給等に関する協定」を締結した。県内では4例目。協定により、市の要望が反映された住宅地図などが市や各区役所に常備され、災害時の利用で被害状況を迅速に把握できるとしている。
市ではこれまで、東日本大震災を教訓とし、地域防災計画の見直しや災害本部体制の強化にあたってきたほか、住宅地図などを活用した災害対策訓練を実施していた。一方、市が保管し、訓練時にも使用していた地図は必ずしも最新のものではなかったため、地図の情報自体が古くなっているものもあったという。
こうした中、地図情報の提供をとおして地域貢献に寄与する活動を続けている(株)ゼンリンが昨年、市へ住宅地図などの提供を目的とした協定の締結を提案。災害時に、即時に災害状況を把握するうえで、建物名や建物ごとに細かく居住者が記載されている住宅地図は必要不可欠で、なおかつ最新の情報が求められていたことから今回、協定の締結に至った。
市の要望を反映
協定では、住宅地図を唯一全国展開している同社から市へ、住宅地図(B4版)10セット、区ごとに分かれた広域図(A0版)20部のほか、インターネットを利用した住宅地図配信サービス「ZNET TOWN」のIDが提供された。これにより、市や各区役所などで住宅地図を即時に利用できる環境の構築が期待される。これらの地図には、市内全105箇所の避難所のほか広域避難場所の明記など、市の要望が強く反映されているという。加えて両者の間では、災害時に一層役立つ地図の作成を模索するための情報交換なども進められていく。
市では今後、災害発生後に開く災害対策本部の会議の場でこれらの地図を用いて情報共有を図るほか、被害状況を対応部署に速やかに連絡する際に役立てていくものとしている。市危機管理局では「災害時は様々な対応が求められる中で、地図は全ての動きのベースとなる。協定を契機に、より一層災害に強いまちづくりに取り組んでいきたい」としている。
同社と同様の協定を結ぶのは、県下では横浜、茅ヶ崎、川崎に次いで4例目となる。
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