区内上溝の食肉公社跡地に新設された「上溝さくら公園」にこのほど、東日本大震災からの復興を応援するシンボルとして開発された桜「はるか」が植樹されることになった。現在、同種の苗木は全国で30本だけしかなく、県内で植樹されるのは初めてとなる見通し。6月には植樹式を予定している。
食肉公社の跡地の有効活用として新設された「上溝さくら公園」。公社の閉鎖後、少年らによる敷地内への不法な出入りや車の放置などで周辺環境が悪化していたことに加え、同地域内に公園がないことから、公園の新設は地元住民が強く要望していた。その公園に「はるか」が植樹される。
「はるか」は、森林や林業、木材産業にかかわる研究開発や事業を行う国立研究開発法人森林総合研究所が開発し、福島県に寄贈した新種の八重桜。新しく生まれたこの桜を、復興への願いとともに全国に植樹し、広めることで、震災の風化や風評被害を防ごうと福島県で始まったのが「fukushimaさくらプロジェクト」だ。
桜の名前は「遥か彼方の未来まで広まってほしい」という願いを込め、福島県を舞台にした大河ドラマ「八重の桜」で主人公・新島八重役を演じた女優の綾瀬はるかさんが命名したことでも知られる。新島八重が設立にかかわったとされる同志社大学(京都府)や、その夫である川崎尚之助生誕の地・豊岡市などですでに植樹が行われているが、上溝さくら公園での植樹もその一環。きっかけは、市内に事業所を持ち、同プロジェクトにも協賛している日本ゼトック株式会社からの「相模原にもぜひ」という市への提案。7種11本の桜が四季を通して楽しめ、今後新たに桜の名所となりそうな同公園に植えることが決まった。
同地区田中自治会の小林充明会長は「地域住民や近隣の保育園など公園を利用している子どもから高齢者までさまざまな人に、この桜を見ることで、震災を思い出すきっかけにしてほしい。風化を防ぐ一助になれば」と話している。
植樹式は6月17日(水)を予定している。
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