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相模原市立博物館レポvol・4 世界も注目の、日本の太陽系調査 学芸員(天文)岸 篤宏

公開:2015年8月20日

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奥に見えるのが「はやぶさ」が撮影した小惑星イトカワの姿。手前の探査機は「ひてん(飛天)」(1990年打ち上げ、実物大模型)。のちの「はやぶさ」の旅にも欠かせない「スイングバイ」という技術を日本が習得するのに貢献した
奥に見えるのが「はやぶさ」が撮影した小惑星イトカワの姿。手前の探査機は「ひてん(飛天)」(1990年打ち上げ、実物大模型)。のちの「はやぶさ」の旅にも欠かせない「スイングバイ」という技術を日本が習得するのに貢献した

 最近話題になった、アメリカの探査機による冥王星の映像はご覧になられたでしょうか。そこには、誰も目にしたことのない世界が鮮明に映っていました。

 「太陽系探査」ではこの様に、太陽系の惑星やその衛星などに無人の小型宇宙船「探査機」を送り、その場での観測・調査を行います。遠く離れた天体を、地球から望遠鏡を使って調べる「天文観測」とは異なる、新しい天体の調べ方といえます。

 第二次世界大戦後にロケット技術が発達し、1957・58年にソビエト連邦(ソ連=現ロシアなど)とアメリカが相次いで人工衛星の打ち上げに成功しますが、太陽系探査もこの2つの超大国によって60年代に開始され、月・火星・金星へ探査機が送られ、69年にはアメリカのアポロ計画で、人類初の月面着陸・探査も実現されました。こうした歴史から、「世界初」といえばアメリカやソ連という印象が強い太陽系探査ですが、近年は日本の活躍も世界から注目され、世界初の成果も数多く達成されるようになっています。

 その代表例には、小惑星探査機「はやぶさ」の探査があげられるでしょう。幾多のトラブルを乗り越え、7年間60億Kmの宇宙の旅ののち、5年前・2010年6月13日に感動的な地球帰還を果たした「はやぶさ」の探査は、ドラマチックなだけではありませんでした。「はやぶさ」が撮影して送ってきた探査天体・小惑星イトカワは、表面が大小の岩石に覆われた、誰も予想しなかった姿をしており、世界中を驚かせるものだったのです。そして最終的には、世界で初めて、小惑星の物質(微粒子)を地球に持ち帰ってくることに成功しています。

 当館では、そうした日本の太陽系探査の歩みを、「世界初」の挑戦や成果を切り口にして紹介する企画展『JAXA×博物館 あれも世界初!日本の太陽系探査』を9月27日(日)まで開催中です。様々な探査機の模型や実物資料の展示を通じて、日本の太陽系探査の歴史の積み重ねとその現在をご覧ください。

 また特別展示として「はやぶさ」が持ち帰った小惑星イトカワの微粒子と、微粒子を地上に送り届けた「帰還カプセル」の実物もご覧いただいていますので、ぜひご来館ください。

(問)相模原市立博物館【電話】042・750・8030

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