区内での自転車事故の発生件数が2014年、15年に続き今年、3年連続で県内最多となる見込みであることが、相模原署への取材でわかった。事故に歯止めをかけようと独自に対策を講じる地域も見られており、今後は警察のみならず、地域全体で自転車事故の防止に取り組む必要がありそうだ。
中央区は、県交通安全対策協議会から6年連続で「自転車交通事故多発地域」に指定されており、自転車事故への重点的な対策が求められている現状がある。実際、区内での自転車事故は交通事故全体の約3割を占めており、最も多い事故形態となっている。
相模原署交通第一課の成田俊也巡査部長によると、今年、区内で起きた自転車事故の件数は、10月末の時点で292件。件数自体は年々減少傾向にあるものの、この数値は2番目に多い平塚市の234件を大きく引き離しており、このまま推移すると、14年から3年連続で県内最多となる見込みだという(=表1)。これについて同課では「中央区は平坦な道が続いているため、自転車の利用者数が他地域よりも多いことが主要因として考えられる」と分析する。
区内の自転車事故を発生状況別に見ると「右左折時」が最も多く、次いで車両と車両との間で発生する事故である「車両相互その他」となっている(=表2)。発生場所は交差点がおよそ8割に上り、年齢別では近年の高齢化の影響もあり、自転車事故に占める高齢者の割合が大きくなってきているという。同署は「今後は高齢者による自転車事故の未然防止策にも注力していきたい」と話している。
「自転車は『車』という意識を」
自転車事故の発生件数が県内でも突出して多い現状を受け、区内では様々な対策が進められている。現在、一部地域では自転車専用の走行通路である赤茶色や青色の自転車道が整備され、歩行者・自動車・自転車の3つのレーンに区切ることで走行秩序を保っている。加えて同署では、自転車の利用者に向けて積極的に注意喚起を促すため、駐輪場での声掛けにも重点を置いている。同署は「自転車はあくまでも『車』であるという意識を持って、安全に運転してほしい」と呼びかけている。
地域で独自に事故対策
一方で、自転車事故を減らそうと、独自に取り組む地域も見られる。その一つが光が丘地区で、同地区では昨年の12月から、地域全体で対策について考える場を設けようと、毎月一度、「自転車事故対策会議」を開いている。
会議には、同地区の自治会連合会や交通安全協会、交通安全母の会らに加え、相模原署員も参加。2014年度の事故発生件数から25%減を目標にスタートし、事故の分析をして出した独自のデータを活用しながら、実際に事故が多発している現場を訪れ、啓発チラシを配布するなどの交通キャンペーンを実施している。
このほか、事故の発生場所が一目でわかるマップの製作や、スタントマンによる衝突事故の再現を行うことで事故の恐怖を実感してもらう「スケアードストレート」と呼ばれる交通安全教室を開催するなど、多角的な対策に乗り出している。
同地区自治会連合会の平林清会長は「今年は前期に比べ、後期の事故発生件数は減っている。事故を少しでも無くすために、今後も対策を根気よく続けていく必要がある」としている。
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