端正な顔立ちに、190cmを超える長身。そして、他を圧倒する打撃力-。高校野球の名門・日本大学第三高校(日大三高)で活躍を見せる金成麗生選手は「球界のスター」となり得る資質を併せ持ち、今や多くのスカウトから「二重丸」を付けられる存在だ。
「金成麗生」の名が全国に知れ渡ったのは昨年11月に行われた東京都大会決勝の早稲田実業学校(早実)戦。「超」高校級と評される世代屈指のスラッガー・清宮幸太郎選手要する早実に対し、金成選手は特大ホームランを含む5打数4安打5打点の大活躍。試合には敗れたが、その日の主役を清宮選手から奪い去り、スカウト陣に鮮烈な印象を残した。
名将に導かれ日大三高に
生まれは南区新磯。野球好きの祖父の影響でバットを振り始めた。アメリカ人の父親譲りの大柄な体格を生かし、幼い頃から打撃に加え、投手としての能力も突出。中学生の頃は主に投手として地元の硬式野球チーム「相模ボーイズ」などで活躍した。高校進学前、その潜在能力を高く評価され、複数の強豪校から声がかるも、悩んだ末、日大三高を選択。決め手となったのは、名将・小倉全由監督の存在だった。入学前に負ったケガのことを小倉監督に相談すると「金成に合った練習をした方がいい」と言われ「誰より自分のことを思ってくれ、監督のもとで野球をしたいと思った」と、その人間性に惹かれ、入学を決めた。
ケガを機に打者へ転向
入学後、投手としてチームの一員に加わったが、1年時の夏過ぎまでは怪我のリハビリに専念。その後は怪我も癒え投手として活躍していたが、2年に進級して迎えた5月、登板した練習試合で打球が鼻を直撃。またしても離脱を余儀なくされ、甲子園をめざすナインには加われなかった。
ただ、怪我の功名と言うべきか、戦列に復帰すると「自分でも理由はわからない」が、今まで眠っていた打者としての才能が開花。練習から鋭い打球を飛ばし続けると、小倉監督は「1塁で試合に出ろ」と、打者への転向を指示した。「投手」から「打者」への小倉監督の判断は功を奏し、早実戦での活躍に加え練習試合でも本塁打を量産。出場試合数が少ない中、高校通算で19本のホームランを記録している(昨年12月末時点)。
リベンジ果たし夢の舞台へ
同じく大柄な左打者。常に比較されながら、未だ言葉を交わしたことのない清宮選手を「最強のライバル」と位置付ける。「同じ年には多くの左の長距離砲がいますが、清宮君は一番。成績、技術面、どこを見てもすごい」と相手への尊敬を口にする。そして、「この前は負けましたが、今度は勝ちたい」とリベンジを誓い、初の甲子園出場を目標に据える。卒業後の夢はもちろんプロ野球。「目標とする選手は横浜の筒香嘉智選手。若くしてチームを引っ張る姿に憧れる」と笑顔を見せる。
ライバルとの競争を勝ち抜き、「高校NO1打者」を勝ち取った時、「球界のスター」への道は自ずと開けることだろう。
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