高齢者の免許自主返納に関して、相模原警察署はこのほど桜美林大学の坂田淳一ゼミと連携し地域住民に意識調査を行った。内容については、今後データ分析を専門とする同ゼミで精査。学生の協力も受けながら、免許を返納した高齢者がより生活しやすい仕組み作り「シルバーライセンスリターンプロジェクト」を推し進める。
全国で相次ぐ高齢者による交通事故の発生を受け、各自治体が促す高齢ドライバーの免許証自主返納。相模原署では現在、円滑な返納推進に向けた枠組み作り「シルバーライセンスリターンプロジェクト」に取り組む。自治会や地元企業の協力を受け、例えば返納者の無料送迎サービスなど、高齢ドライバーが返納後の生活に不便しない体制作りを模索している。
「返納者の生活が困らない解決策とは」
その中で同プロジェクトへの協力に名乗りを上げたのが、日ごろ交通安全啓発などで同署と協力関係を築く桜美林大学。アンケートやデータ収集の分析を専門とする同大の坂田淳一ゼミが、高齢者の免許証返納に関する意識調査アンケートを作成した。
内容は、車の利用目的や免許証返納の考えについてなど10項目を盛り込んだもの。相模原署はこれを、田名・上溝地区の70歳以上の高齢者を対象に実施し、18日、これまでに集まった597人分を同ゼミに提出した。今後、同ゼミで免許返納者のニーズや現状の問題点など、詳細に分析が進められていく。
相模原署では、その結果を基に、今年3月の高齢運転者の免許制度改変に合わせて、報告会を企画する予定。坂田ゼミのメンバーに加え、自治会や病院、地元企業を呼び込み、地域全体で高齢ドライバーの事故防止問題について考える機会にする方針だ。
この日、代表してアンケートを受け取った同ゼミの滝口真子さん(3年)は「(高齢ドライバーの事故は)祖父や祖母も車に乗るのでニュースなどを見ていていつも心配」と話し、「高齢者だけでなく、私たちの世代から考えることで全世代で意識を高めたい」と意欲を見せる。田中朗人さん(3年)は「自分が高齢者になった時にも起こりうる問題だと思うし、高齢者の足として車が必要なのもわかる。学生ならではの意見で問題解決に向き合いたい」と高齢ドライバーに理解を寄せるコメントを述べた。
相模原署では、より多くの人の意見を参考にしようと、引き続きアンケート回答の協力を対象者に呼び掛けている。
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