相模原市立博物館レポvol.9 博物館deトレジャーハンター 考古学担当学芸員 中川真人
わたしたちの足下(あしもと)の大地には、何千年、何万年といったはるか大昔の先人たちの暮らしが眠っています。発掘調査によって眠りから覚めた考古資料は、先人たちの暮らしの知恵や物の美しさ、神秘的な祈りの思いが形となり、わたしたちに向かって問いかけるのです。
考古学者「さがぽん」と大日野原(おびのっぱら)遺跡の土偶から生まれた「おびのっち」といっしょに、”さがみはら”の太古の遺跡から発見された”お宝”の謎を解き明かす、参加型謎解き考古展を相模原市立博物館で開催します。考古資料は地中に眠る過去人類の活動の痕跡である遺跡から、発掘調査などによって発見され、過去の文化を探る歴史的な資料です。
そこには、歴史性や地域性もしくは古(いにしえ)の文化の独創性などの魅力を兼ね備えており、地域の歴史を語る上でも重要な要素となっています。
遺跡から発見される考古資料には土器や石器のほか、鉄や青銅などの金属製品などが主ですが、普段の生活においては馴染みが薄いものですので、まだまだ知られていないことも多くあると思います。そこで、今回の考古展では”子どもが楽しめる展示”をコンセプトに、展示でありながらゲーム感覚で楽しんでいただけるよう組み立てています。とはいっても展示する考古資料には、相模原市の文化財に指定された逸品を全て含んでいますので、大人の方でも楽しみながら学んでいただけます。
特にイチ押しの資料は、海を越えて大英博物館にも展示された、大日野原遺跡の土偶装飾付き土器(写真)です。約5000年前の縄文土器の口に、ちょこんと乗っかるように愛らしい土偶がついた大変珍しい資料です。
展示は3月18日(土)から5月7日(日)にかけて開催しています。4月2日(日)には土偶研究の第一人者でもあり、大英博物館での土偶展を手がけた原田昌幸さん(文化庁主任文化財調査官)をお招きして、記念講演会を開催します。多くの方のご参加をお待ちしています。
■相模原市立博物館
【電話】042・750・8030
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