第39回日本書展で文部科学大臣奨励賞を受賞した 藤井 蘭秀(らんしゅう)さん(本名 万由美) 緑区鳥屋在住 64歳
書で自己の世界観を表現
○…10月17日から22日まで、東京都美術館で開催されている「第39回日本書展」で、文部科学大臣奨励賞を受賞した。天皇陛下の”おことば”や”ご親書”を祐筆する佐伯司朗氏が代表を務める現代書道研究所が主催する書展は、「現代の書壇に新鮮な魂を」と願い、全国規模で行われる書展。過去には同展で、都知事賞や毎日新聞社賞を受賞したことがあったが、約500人が出展した今回の書展で、念願の最高の賞を勝ち取った。「受賞を聞いた時は嬉しくて家中を歩き回りました。今後は受賞者として責任ある行動をとっていきたい」と喜びを表す。
○…「個々の字体だけでなく、全体の中心線がずれず、文字の間隔を揃えることに苦心しました」と説明する受賞作品は『賢愚経 第五十八〜六十番』。制作に約半年かかったという書は、70×270cmの大きな3つの用紙に、約2500文字からなる中国の古典を書いた大作だ。「今回の作品に取り組んだことで、集中力、忍耐力が増しました。書き上げた時の達成感は充実したものがありました」と振り返る。
○…長野県出身。書家であった父の影響で、小学校3年生から書を習いはじめた。結婚後に本格的な書の世界へ入り、20年前からは現代書道研究所の門下になり、今では地元で書道教室を開き、子どもから高齢者まで幅広い年代の生徒30人の指導にあたっている。「文字を書くことにより自分に自信がついてきます。文字を書く機会が減っている今だからこそ、書を大切にして欲しいですね」
○…夫と2人暮らし。「夫には書に対する取り組みに様々な方面で理解、協力をしてもらっています」と感謝する。現在はイベントのポスター、商品の看板やロゴ、卒業証書など地元を中心に書の依頼は絶え間ないという。「地元の人には本当に良くして頂いています。津久井に書を通して少しでも貢献できるよう活動していきたい」と話した。
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