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やまゆり園事件特集 あの日から1年 今思う 「市内からの声」

社会

公開:2017年7月27日

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 事件後、弊紙にコメントを寄せてくださった市内の障害者福祉関係の方々に「事件から1年が経過し、今思うこと」と質問し、ご回答して頂きました。

 社会福祉法人相模原市社会福祉協議会・戸塚英明会長

 「事件で犠牲となられた方々に心から哀悼の意を表しますとともに、心身に傷を負われた方々に改めてお見舞い申し上げます。社会福祉協議会にとって、障がいのある方々への理解や施設と地域の方々との交流促進は重要な取組です。この一年、取組に対する一層の重みを感じるなか、昨年度、延べ8千人を超える市内の小・中学生が福祉体験講座に参加し、また福祉施設で働く魅力を高校生に伝えるために制作したビデオを携えて、施設職員によるキャリア教育の授業にも今年から取り組みます。このような地道な取組を、市民の皆様と共に一つずつ重ね、障がいのある方の命と人権を尊重する地域づくりに向けて取り組む所存です」

 相模原市身体障害者連合会・小出庄作会長

 「事件後もアメリカのトランプ大統領が人種差別を助長するような発言をしたり、中東やヨーロッパなどでも人種による問題を見ていると、障害者に対してだけでなく『差別』は無くならないのかなと考えてしまう。障害者の理解を深めるイベントにいくと当事者ばかりになってしまうので、そこに一般の人にも参加してもらい差別や偏見を減らしていく啓発活動を広めていき、安心して暮らせる共生社会の実現に向け努力していきます」

 発達障害などの子育て支援グループ・さがみらい子育てネットさがみはら連絡協議会会員・岡崎京子さん

 「発達障害や知的に遅れている子どもの子育て支援をする中、犯人がどう育てられたのか、どうして障害者はいらないといった発想を持ったのか、この一年考えてきた。親が社会に役立つような人間になれと教えて育てて来たのではないかと。それがあまり強調されてしまい、社会の役に立たないものは要らないと思うようになったのではないか。欠点もあって良い、個性と認めてあげることも大事。子育ては怖いなと改めて感じた。また園の建て替えについては、地域に身近な形が良いのではないかと考える。支援学校も含め、障害者が身近になり、それが当たり前の社会になる必要があると思う」

 障害者就労支援作業所・ナチュラルライフ代表の古里靖さん

 「事件で社会が変わったかといえば変わってないと思うが、事件の衝撃は大きく、今になって通所する障害者の人が自分への他人の見方が厳しくなったと感じるといった声が上がるなど、じわじわ影響が出ていると感じる。現在、障害者雇用は増えてきているが、止める業者もいて、いかに定着させるのかが今後の課題だ。ただ、私たちのできることはこれまでと変わらず一日一日を大事に、丁寧に生きていくこと、これに尽きる。障害者の人たちが安心して暮らせる社会となるよう知恵を出し合い、丁寧に、大事に生きる。その積み重ねしかないと思う」

 社会福祉法人相模福祉村・赤間源太郎理事長

 「施設整備の遅れであったり、地域移行、施設のあり方やハード面のあり方の議論がなされているが、当事者の方々、事件に関わった方々の気持ちを受けて、早く環境整備をして差し上げた方が良いと思う。障害者の方もお年寄りの方も子どもたちも一般の方も、広くみんなが支え合えるような環境づくりや考え方、土壌をしっかりと整えていかなくてはいけない。力不足だったことは、相模原にいる我々がもっと声を上げるべきだったこと。住まい方の議論も大事だが、障害者に対するまわりの心の壁を取り除くことが急務ではないか。この繰り返しが無いことを願うばかりです」

 和泉短期大学教授(社会福祉学専門)/相模原市障害者施策推進協議会会長・鈴木敏彦氏

 「事件の発生から一年間、多くの人々により共生社会のあり方を問いかける発信、行動がなされてきました。その一方で、事件の風化を危ぶむ声も上がっています。障害者基本法には『社会的障壁』という考え方が盛り込まれ、課題は障害者自身にあるのではなく、障害者と共に暮らすことを拒む社会の側にあることを明らかにしています。『社会』とは、私たち一人ひとりのことです。今、私たちにとって何より大切なことは、事件を風化させず、事件が投げ掛けた課題に向き合い続けることです。何故ならば、課題への答えを導き出すのは、社会の一員である私たち一人ひとりの役割だからです」
 

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