ファインダー越しに観たサッカー 慶應義塾大学環境情報学部3年高田結葵
秋の日曜日。あいにくの空模様の中にも関わらず、麻溝陸上公園競技場(南区麻溝台)には多くのサポーターが駆けつけていた。この日、SC相模原(以下SCS)の広報活動をサポートしているJointは、1年前から温めていた「親子フォトグラファーイベント」、「キックターゲット」「チアリーディングパフォーマンス」と、数々のイベントを開催した。
私達が今回、この様なファン参加型のイベントを企画した理由はひとつ。少しでも多くの市民に、試合会場に足を運んでもらうことだ。試合を観て、SCSの選手のプレーに感動する。会場でのイベントに参加し、楽しんでもらう。それによって「また来たい」「これからもチームを応援したい」と思ってもらう。そのようにファンが増えることで、SCSが相模原市の地域の目玉となり、いずれは地域全体の誇りとなることができるはず。その第一歩としてまずは少しでも多くの人に今日を楽しんでもらいたい、そんな強い思いを持ち続け準備を進めてきた。
当日は、予想外の雨量だった。親子フォトイベント(主催/ニコンイメージングジャパン他)に果たして参加してくれるのか、正直不安だった。イベント開催時刻を迎えようとしていた時、最初の親子連れが姿を表した。その時の安堵感は、今でもはっきりと記憶している。最終的には8組25名が集まった。
このイベントはピッチの脇の特設ブースで、選手のプレーを一眼レフカメラで写真に収めるというもの。スタンドではなく、選手と同じ目線でプレーを見ることができ、一眼レフカメラを使えるという特別な体験ができること、それが本イベントの大きな魅力である。親子連れはニコン講師の指導のもと、キックをする瞬間や走っている姿などを撮影した。しかし、企画の段階で「写真に集中しすぎて肝心の試合がそっちのけになってしまうのでは?」という声もあった。しかし実際、イベントの反応を聞くと、「親子で楽しめた。会場の興奮や近くで見るからわかるスポーツの深さ、そして写真の面白さも知ることができた」。
スポーツは人を夢中にさせる力を持つ。今回の試合やイベントを通じて、「相模原でサッカーの試合を観戦すること」は、地域市民のつながりと同時に、「親子」という、一番身近で壊れてはいけない「絆」も紡ぎだしていける力になれるかもしれない…。イベントの最中、笑顔で話す親子を見ながら、ふとそんなことを思った。
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現在のSCSの強さは守備にある。今期の関東1部リーグでは最も少ない失点数だった。その鉄壁の守りが、攻撃陣に積極性を生む。チームによると「FWからDFまでなるべく幅を広げず、選手の配置全体をコンパクトにすることで、相手にスペースを与えなくする」ことが狙いだという。素早く時間をかけない攻撃と展開が可能になる。
これからのSCSの未知数の可能性に期待し、JFL、Jリーグへの昇格はもちろん、堂々と相模原市の誇りになってくれることを、心から期待する。
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源氏物語を知る4月18日 |
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