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放射能、福島のいま 内科医・牛山さんインタビュー

社会

公開:2013年1月31日

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内科医・牛山元美さん…佐賀県出身。現在、市内の病院に勤務。仕事のかたわら、「放射能から子どもを守る」活動を続けている。これまで、仲間とともに、給食の放射能測定や日光への修学旅行反対を行政・学校に訴えてきた。講演会などにも参加し、市民への啓発活動を行う
内科医・牛山元美さん…佐賀県出身。現在、市内の病院に勤務。仕事のかたわら、「放射能から子どもを守る」活動を続けている。これまで、仲間とともに、給食の放射能測定や日光への修学旅行反対を行政・学校に訴えてきた。講演会などにも参加し、市民への啓発活動を行う

 一時注目を集めていた”放射能の問題”。メディアで取り上げられることが少なくなってきた。「けれど、これはまだまだ終わっていない問題です」。インターネット上で、はたまた勉強会の場で、警鐘を鳴らし続けている内科医がいる。牛山元美(もとみ)さん(南区相南)=写真=は、市民団体「こどもまもりたい」に所属し、放射線被ばくに対する啓発活動などを行っている。原発事故から時間が経過したことでわかってきたことなどを話してくれた。

 「何を食べていれば安心なの?」と心配される方がいます。

 ―自治体が検査した流通品や非流通品などの食品に含まれる放射性物質濃度の結果を厚労省がまとめて定期的にHP上で発表しています。便利なそのダイジェスト版をアップしている団体もあります(「世田谷こども守る会」など)。どこの何からどれだけの放射性セシウムが検出されているのか、何回も見ていると、「だいたいこの辺のこんなものが危ないかも」とわかるようになります。

 具体的にはどんな食べ物に気をつければ?

 ―一番危ないのは野生のキノコ。福島県内産のもので、1kgあたり数万ベクレルの汚染キノコが見つかっています。原木シイタケ、山菜、たけのこ、そして川魚や海の底魚(ひらめなど)、柑橘類、さらに意外なところでウナギやタラ、陸地ではソバや小豆、小麦なども結構高い汚染が見つかっています。

 よく「被ばく量はどこまで大丈夫か?」という議論がなされますが。

 ―色々学んだ結果感じることは、「被ばく量に安全域なんてない」ということ。本来、(自然界に存在する放射線により)年間2〜3ミリシーベルト浴びていた私たちですが、その上にいくつまでプラスしていいのかということに対する答えはないと思います。少しでも多ければ、のちの人生で発がんに至る可能性が高くなることは間違いないようです。

被災地は医師減少

 食品以外における、市内でできる対策は?

 ―放射性物質が溜まりやすい場所(側溝など)を見つけてはそこを測り、もし数値が高ければ土などを取り除いて、地中深くに埋めるなどの対策が必要だと思います。ですが、むしろ相模原にいる私たちは、自分たちの生活に気をつけることが少ないという恵まれた環境に感謝して、余力を福島に向けてほしいと思っています。私は月に1回、福島県内の病院に当直医として訪れています。若い医師らの一定数が県外へと避難し、医者が少なくなっている現状です。そうした事実があるにもかかわらず、不安の声を母親が上げると、「心配しすぎだよ」というリアクションが返ってきてしまうような空気感が現地にはあります。福島に関心を持ち、何かしてあげたいと思っていることを伝えるだけでも、現地のお母さんを孤独にしないであげられるかもしれません。
 

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