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「私たちの知らない苦しみが、福島には渦巻いている」

公開:2014年7月31日

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今年3月30日から4月4日にかけて町田市内で開かれた春の保養キャンプの様子=主催者提供。福島県から65人の親子(子ども42人、大人23人)が訪れた
今年3月30日から4月4日にかけて町田市内で開かれた春の保養キャンプの様子=主催者提供。福島県から65人の親子(子ども42人、大人23人)が訪れた

母ちゃんず 8度目の保養キャンプ被災地から招く

 市内在住の母親らによる市民グループ「母(かあ)ちゃんず」(竹内亜紀代表)は、8月3日(日)から8日(金)まで、福島からの親子を招いての保養キャンプを開催する。

 このキャンプは福島第一原発事故の影響で思う存分外遊びができない福島県の子どもたちと、その保護者らのリフレッシュを目的に企画されたもの。2012年春から定期的に開催しており、今回で8回目。

 今回の会場は町田市の大地沢青少年センター。5泊6日の日程で、川遊びやキャンプファイヤーなどをして過ごす。キャンプは6月中旬に募集が行われ、すでに定員に達している。福島県から合計65人の親子が参加する予定で、同グループではボランティア約100人で対応にあたる。

「心配しても仕方ない」

 「保養に連れていきたくてもいけない状況があるようです」と、竹内さんは福島県の保護者が抱える悩みについて話してくれた。

 これまで開催したキャンプに毎回参加している親子から今回、なかなか申し込みがなかった。理由を聞いてみると「子どもの習い事があって、その手伝いもあるし。まわりの保護者から『また保養に行くの?』と言われて」との返答。原発の事故による影響で福島県内では現在も場所によっては、放射線量は高い数値を記録している。が、そこに住む人たちの間では、放射能(線量)を「心配している」「心配しても仕方がない」でわかれているようだ。「心配している人」は子どもを保養に連れて行くなどするが、「仕方ない」と思っている人は保養に対して神経質に感じている。また、経済的理由や仕事をしていることから、保養に行かせたくても行かせられない家庭もある。「私たちが知らない苦しみが、福島には渦巻いています」(竹内さん)

つながりを持てれば

 同グループでは5月、福島県内で開かれた「移動教室」の制度についての説明会に参加した。文部科学省による事業で、福島の子どもたちが県外での「移動教室」に参加する際に、国から補助金が出るというものだ(ふくしまっ子自然体験・交流活動支援事業)。補助対象は福島県内の幼稚園、保育園、小中学校など。認められるのは学校全体、PTA全体などで、一部グループでの申請に許可はおりない(母ちゃんずの保養キャンプは対象外)。

 竹内さんはこの事業に期待を寄せている。「学校行事として移動教室が可能になれば、保護者は子どもを参加させざるをえない。保養キャンプをためらっている親御さんの子どもたちも、それまで保養に参加したことのない子どもたちも、皆が参加できるはず」。また、「私たちが住む相模原市も自治体として受け入れをし、福島の学校とつながりをもてれば」と話した。

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