相模原市消防局長に就任した 兒玉 員幸(こだまかずゆき)さん 中央区田名在住 58歳
培った消防技術 伝承へ
○…市内で「全国救急隊員シンポジウム」を開催するなど、大きな経験となった副局長としての2年間を経て、この4月から市消防局長に着任。「まずは原点に立ち返り、あらゆる災害から市民の安全・安心を守ることを一番の使命として着実に遂行したい」と語る。
〇…営利企業ではなく、人のために働きたいとの思いから1979年に就職。現場などを経験したのちに、通信系大学の出身だったこともあり、その経歴の多くを市消防指令センターで過ごした。市民からの通報を受け、各署に指令を出す役割を担い、市民と消防隊をつなぐ要となる場所として、責任を持って業務に励んだ。90年には指令センターへのコンピューターシステム導入に携わり、電話と地図だけをもとに指令を出していた従来の方法とはまったく異なるシステムを署員に理解してもらうことに心を砕いた。長年、救急車の出動に携わってきただけに、近年の救急出動件数の増加を重く受け止める。「救急車の適正利用を呼び掛けることで、救える命を守っていきたい」
〇…生まれは広島県。中学2年生の時に父親の転勤で相模原市に。少年時代は「少年老い易く学成り難し」と書かれた額縁を掲げ、勉学に打ち込んだ。高校時代には友人たちとの将棋に熱中。「勝つための戦力を練りに練り、放課後も残り続けて教頭先生に叱られたなんてことも」と笑う。趣味のウォーキングでは、藤野駅から高尾山まで一日掛けて歩き通した。目標に向かって、とことんやりぬくことが身上だ。
〇…座右の銘は「精神一到 何事か成らざらん」。集中して取り組めば、どんなことでも成し遂げられるという言葉を日々職員に説く。目指すのは人材育成を通して、消防技術の底上げをすること。「ベテラン署員が培った技術を若手署員に伝承していくことが大切」と話す。市民を災害から守るという使命に向かって、局全体を奮い立たせる。
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