今年で終戦70年。戦争を体験し、その記憶を語り継ぐ人が年々少なくなっている。時が経つほど、日本が戦争をしたという事実は人々の記憶から遠ざかる。そういった危機感から現在、戦争放棄を定めた日本国憲法第9条を守ろうと、「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会(事務局・相模原市南区)では、「憲法9条を保持している日本国民」を国際的に影響力のあるノーベル平和賞に推薦する活動を行っている。昨年、受賞は逃したが初めて同賞候補となり、今年2回目となるノミネートが決まった。
座間市に住む鷹巣直美さん(38)は、同実行委の発起人であり、メンバーの一人。「戦争を知らない」世代が大多数となっている今。戦争のない世の中にしようと活動しているこの世代の鷹巣さんに思いを聞いた。
―なぜこの活動を?
「日本で戦争体験などを聞いても、どこか過去のことで、自分のことと考えられませんでしたが、学生時代に留学先の豪州でアフリカなどの難民の人に聞いた内戦の話が衝撃的で、絶対に戦争はしてはいけないと思いました。帰国後、結婚し二児に恵まれるとかわいくて仕方がなくて。2007年の国民投票法の成立時には、憲法が変わったら大変だ、子どもを戦争の恐ろしい目にあわせるのはどうしても嫌だと思っていました。12年のEU(欧州連合)のノーベル平和賞受賞から、憲法9条ももらう資格があるのではとひらめき、ノーベル委員会へメールを送り始めました」
―現在、ノーベル賞受賞への取り組み以外ではどんな活動を?
「日本が9条を守るだけでなく、国連加盟各国のリーダー(政府や大使館)宛てに、どんな理由があっても戦争をせずに話し合いで平和的に解決してください、という内容のネット署名を送っています。また市民一人ひとりが平和に生きる権利への侵害を訴えることができるよう、国連の平和への権利宣言が採択されるよう取り組んでいます」
―30年後には終戦100年の節目となります。その時、どんな世の中になっていて欲しいですか?
「日本の憲法では、自国だけでなく、全世界の人々が平和に生きる権利を持つことを認めています。70年間、戦争をしない憲法を守ってきた日本は今、他国を説得できる立場にあると思います。30年後には、憲法を自分たちの信念として生かし、平和と戦争を国家間ではなく、自分たち一人ひとりの問題として取り組んでいるといいですね。”戦争しない”が世界の常識になっているといいなと思います」
※2015年のノーベル平和賞受賞者は、10月9日に発表される予定
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