10月に開催された「2015わかやま国体」空手道競技女子個人で優勝した 出町(でまち) さくらさん 光明学園相模原高等学校 17歳
「五輪で金」夢へ一歩
○…1試合2分。突き、蹴りなどで得点を稼ぐ空手競技で、得意とする「攻撃型」の勝負展開が見事にはまった。「その日起きた時から勝つイメージしかなくて。今思えば会場に入る前に決まっていたのかも」。言葉通り、圧倒的な点差をつけ順調に勝ち進み、決勝でも大差で国体優勝。全国の頂点に立ったのはこれが初めてだった。「自分の目指している試合が出来てきている。あらゆる経験をさせてくださる先生方に感謝しています」
○…青森県生まれ。3人兄弟の末っ子、人見知りな少女だった。7つ離れた一番上の兄の通う道場へ、付き添いの母についていく日々。師範には度々「やってみないか」と誘われたが、いつものように断っていた。その日も首を横に振り自宅へと戻ったが、口をついて出た言葉は「明日やるから。道着を用意しておいて」。何故そう口にしたのか今でも謎だと笑う。そしてあくる日から空手に没頭する人生が始まった。「弱気になったら許さない」という厳しい師範の下、中学を卒業するまで道場では精神面を鍛えてもらった。
○…高校進学で光明学園へ。青森出身で同じ道場に通っていた女性の先輩が進んだ道を、同じように辿る形になった。空手部のメンバーと過ごす寮生活は、食事や掃除、洗濯も当番制。寝食共にする仲間と夜な夜な励む自主練はもう日課となっている。
○…「勇気をもらった。自分も頑張ろうと思った」。全国優勝を受けたくさんの声が届いた。「自分の試合で人を笑顔にできるんだなって」。一心に続けてきた空手の新しい喜びを見出した。来月には世界大会。そして来年夏、高校生活の総仕上げとしてインターハイ優勝をめざす。さらにその先は「東京五輪で金メダル」と笑顔で即答だった。「でも種目(候補)になったの最近なんですね」と苦笑い。選手として成熟するであろう2020年夏、きっと日本中を笑顔にしてくれるはず。
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