一番の薬は内助の功
大根の葉、ニンジン、ゴボウ、干ししいたけ…。東林間在住の立石利夫さん(70)が、「細胞が元気になる」と20年間飲み続けている野菜スープ。毎日欠かさず、コトコトと1時間かけて煮出すのは妻の幸子(ゆきこ)さん(73)の仕事だ。
都内で食材卸業などを営んでいた立石さん。多忙で不摂生な生活の中、20年ほど前にステージ4の大腸がんを患った。医師から本人への告知について問われた幸子さんは「しない」と即答。「教えたら落ち込んじゃうでしょ。性格がわかっているから」。結果、立石さんは「悪質な胃潰瘍」と説明されて手術し無事成功した。
術後、薬に頼らず自力での治療を望んだ立石さんは、幸子さんに相談せずに退院。「本人がしたいようにしないと治るものも治らない」と幸子さんはそれを受けとめ、代わりに食事を徹底的に管理した。朝食を必ずとり、揚げ物を断つ。手製の「野菜スープ」もその一つだ。
「私まで落ち込んでいたら今頃、生きていないわよ」と、当時を振り返る幸子さん。退院後、夫婦で始めた薬膳中華の居酒屋はもうすぐ18年。”幸子ママ”の気丈さと細やかな気配りに支えられながら、立石さんは今日も元気に鍋を振る。
絵本で想い表現
絵本を手に本当の姉妹、はたまた幼馴染のように寄り添い微笑む2人――。
八王子市の絵本作家、楠(くすのき)千恵子さん(64)の夫の妹・吉田美佐子(60)さんは約15年前、上咽頭がんに罹患した。「会いに行けないほどショックだった」という楠さん。がんのステージは高かったものの放射線治療に食事・免疫療法などで美佐子さんは回復。楠さんが美佐子さんを想い作り上げたのが絵本「チカチカとヘイヘイ」(遊行社)だった。「力になってあげられないけれど、絵本を通して”いつもあなたを思っている”と届けたかった」と楠さん。
苦難を乗り越え以前にも増し想い合う二人は今、「人とのご縁」と「生」に改めて感謝する日々を送る。
さがみはら南区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
アレルギーの会が解散4月25日 |
水野さんが川柳講座4月25日 |
|